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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「女と男の観覧車」(2017)ウディ・アレン監督作品。ケイト・ウインスレット主演。

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女と男の観覧車」(原題:Wonder Wheel、2017)を見た。劇場公開は2018年5月。ウディ・アレン監督による長編49作目の作品。製作はアマゾンのテレビ番組や映画の制作・配信を中心とする部門であるアマゾン・スタジオ。

 
ウディ・アレンといえば、これまでに様々なハリウッドを代表する女優を主役に映画を撮ってきたが、今回は「タイタニック」「愛を読むひと」などで有名なオスカー女優、ケイト・ウィンスレットを抜てき。いつもどおり悲観的で、皮肉に満ちたドロドロの愛憎劇の作品となった。ケイト・ウィンスレットは、ウディ作品初出演だが、イライラ感を発揮するアラフォー女性で名演を見せている。
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1950年代のニューヨーク市ブルックリン区のコニーアイランド。元女優のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、今ではコニーアイランドの遊園地にあるレストランでウェイトレスとして働く日々。
 
回転木馬の操縦係を務める夫ハンプティ(ジム・ベルーシ)とは再婚同士で、自身の連れ子リッキー(ジャック・ゴア)と観覧車の見える部屋で暮らしている。だが、ジニーは夫に隠れて、海岸で監視員のアルバイトをするミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)と不倫をしていた。
 
 
平凡な毎日に失望していたジニーは、脚本家を目指すミッキーとの未来に夢を見ていたのだ。ジニーはミッキーに2つ告白することがあるという。一つは、35歳と言っていたが、実は39歳であること。すぐに誕生日が来て40歳。もう一つは結婚していて夫がいて、連れ子もいるというのだった。これを聞いたミッキーは、全く驚くふうでもなく「それが家庭崩壊につながる?」とこれまでにも人妻と付き合ってきたとほのめかす。
 
そんなある日、ギャングと駆け落ちして音信不通になっていたハンプティの娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)がジニーの前に現れる。
 
 
キャロライナがなんと、ミッキーと親しくなってきたことを知るジニーの苛立ちは最高潮に達し、その日から嫉妬心が充満し、ジニーの歯車が狂い始めていくのだった・・・。
 
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登場人物がみななにか問題を抱えている、といったところが面白い。
観覧車を登場人物に人生にたとえているのかもしれない。
不倫で一度結婚に失敗したのにまた不倫に走るジニー。ミッキーもしかり。女性が目の前に現れると、目移りして、相手を取っ替え引っ替え。
ジニーの子供リッキーは、不登校で、小遣いをもらって映画館通い。悪い癖は、ところかまわず放火をすること。結局、全ての人間が観覧車のように、前に進むこともなく元の場所に戻ってしまうのだ。
 
 
1950年代の風景のカラフルな再現が興味深かった。
ケイト・ウインスレットが長回しのシーンで、一人芝居でセリフを続けるシーンは名女優といえるほどで「欲望という名の電車」のヴィヴィアン・リーのようでもあったというのは考え過ぎか。
 
現在83歳のウディ・アレン監督も、クリント・イーストウッドと並んで高齢だが、エネルギッシュに作品を撮り続けてくれそうだ。