タイトルの“カフェ・ソサエティ”というのは、1930年代のハリウッドの時代の象徴とも言える映画スターや著名人が集まるきらびやかな上流階級社会のこと。映画産業で働くことを夢見てニューヨークからやってきた青年が美しい女性と恋に落ち、その“カフェ・ソサエティ”の熱狂に陥ってゆくロマンティック・コメディ。
近年のウディ・アレンの作品は、”カド”が取れて、”ビター”な中にも、わかりやすいラブコメが多くなっていて見やすい。80歳を超えても、精力的に映画を撮り続けて、今夏には「女と男の観覧車」(原題:Wonder Wheel、2017)の公開が控えている。
出演は「ソーシャル・ネットワーク」で2010年アカデミー主演男優賞ノミネートされたジェシー・アイゼンバーグ、ヒロインを演じるのは「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート。そのほかブレイク・ライブリー、スティーヴ・カレル、パーカー・ポージーなど。
【ストーリー】
もっと刺激的で、胸のときめく人生を送りたい。漠然とそんな願望を抱いたニューヨークの平凡な青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)がハリウッドを訪れる。時は1930年代、この華やかなりし映画の都には、全米から明日の成功を目指す人々が集まり、熱気に満ちていた。
もっと刺激的で、胸のときめく人生を送りたい。漠然とそんな願望を抱いたニューヨークの平凡な青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)がハリウッドを訪れる。時は1930年代、この華やかなりし映画の都には、全米から明日の成功を目指す人々が集まり、熱気に満ちていた。
映画業界の大物エージェントとして財を築いた叔父フィル(スティーヴ・カレル)のもとを訪ね、とりあえず雑用係として働き始めるボビー。フィルから秘書ヴォニー(クリステン・スチュワート)を紹介され、ヴォニーが週一のペースで、ハリウッドの街を案内してくれるという。ボビーは、ヴォニーの美しさに心を奪われる。
ヴォニーと親密になったボビーは、彼女との結婚を思い描くが、ヴォニーには、ボーイフレンドがいるという。しかもその交際相手というのが、既婚者で離婚を考えているというのだが、その人物がまさかの人物だった・・・。
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1930年代のハリウッド映画界が舞台ということで、時代を彩った名俳優・女優の名前が次々に登場する。アレンの古き良き時代のハリウッドへのリスペクトか、はたまた逆に、儚い虚栄を風刺したかったのか。
大物エージェントを演じるスティーブ・カレルの役は当初はブルース・ウィリスが予定していたが、別の作品に出演するために代役出演となった。カレル演じる大物の口をついて出てくるのは、「ゲーリー・クーパーと食事をしたばかりだ」「ハワード・ホークスの件で忙しい」だったり、グレタ・ガルボ、ジュディー・ガーランド、ジョン・フォード、ジェームス・キャグニー、D.W.グリフィスなどだ。
このほか、グロリア・スワンソンの手形・足型や、アステア&ロジャースの「SWING TIME」の映画の看板なども登場。ニューヨーカーであるボビーをヴォニーが車でセレブが住むビバリー・ヒルズに案内するが、スペンサー・トレーシーの家、ジョン・クロフォードの家、ロバート・テイラーの家などのプール付きの豪邸だった。
ハリウッドからニューヨークに戻り、クラブで大成功を収め、支配人となったボビーに、「ある日、”過去”が店を訪問する」ことになる。それは、かつて結婚も考えたヴォ二ーとその夫であり叔父のフィルだった。互いに何不自由のない生活に満足していたが、ボビーとヴォニーの奥底には、変わらない想いがあった。
ウディ・アレンの集大成的な映画でもあるといった批評家の意見もあり、評価はまずまずのようだ。
ウディ・アレンは、ユダヤ人であることの差別と外見から来るコンプレックス(身長160センチで、髪も薄く冴えない風貌)や、自己意識などを織り込んだコメディを得意としている。「ユダヤ(教)に未来はない」といった自虐・皮肉の言葉も聞かれた。
映画「カフェ・ソサエティ」
日本公開:2017年5月5日
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、ブレイク・ライブリー、スティーヴ・カレル、パーカー・ポージー
2016年/アメリカ/英語/1時間36分
日本公開:2017年5月5日
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、ブレイク・ライブリー、スティーヴ・カレル、パーカー・ポージー
2016年/アメリカ/英語/1時間36分
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