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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「アニー・ホール」(1977)アカデミー賞作品賞、主演女優賞、脚本賞ほか受賞。</span>


アニー・ホール」(原題:Annie Hall、1977)を見た。
この映画は、見たはずと思っていたら、中身を覚えていなかったので、どうやら未見だったようだ。10代、20代で見ても面白くないタイプの映画だが、今見ると、なかなか面白い。

ウディ・アレン監督・主演のロマッティック・コメディ。
大都会ニューヨークに生きる男と女の出会いと別れをコミカルに描いたラブ・ストーリーで、ウディ・アレン作品で最も人気があるもののひとつで代表作。タイトル・ロールを演じるダイアン・キートンアカデミー賞主演女優賞に輝いたほか、作品賞・監督賞・脚本賞を受賞している。

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うだつの上がらないスタンダップ・コメディアン、アルビー・シンガー(ウディ・アレン)は、知り合った美女アニー・ホールダイアン・キートン)と意気投合して同棲生活を始めるが、うまくいくのは最初だけ。次第に相手のイヤなところが気になり出した二人の間には見えない溝ができ上がっていた。

アルビーは、恋人のアニー・ホールとの関係を保とうとしているが、すぐに口論が起きる。数年後にふたりは「相性が悪い」との理由で別れてしまい、アニーは引っ越してしまう。しかし、アルビーはやはりアニーを愛していると悟り、彼女を追いかける。

しかし、アニーの前に現れた人気歌手のカリフォルニアへの誘いが二人の仲にピリオドを打つ決定的なものとなった・・・。心の声を字幕で流してみたり、いきなり本筋と関係ない人物が現れたりと、ユニークな手法も尽きないが、根底にあるのはアレンのしっかりとしたタッチ。



ウディ・アレンの淀みないマシンガントークは絶妙。ダイアン・キートンは「ゴッドファーザー」(1972)で注目されたが、そのわずか数年後には、この映画でオスカー女優となった。

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アカデミー賞脚本賞を受賞しただけあって、長いセリフの面白さと、単なるラブストーリーに終わらない男と女の考え方のズレ、とくにアルビー(ウディ・アレン)の偏屈ぶりや、アニー(ダイアン・キートン)の屈託のない性格などが上手く現れていて、引き込まれた。また、1970年代当時のアメリカの背景なども垣間見えて興味深かった。アメリカで当時人気だった司会者ジョニー・カースンの名前など。

アルビーとアニーは映画を見に行くが、上映が始まって2分たっているというので、アルビーは「途中からは絶対に見ない」と突っぱねたり、列に並んでいたところ、後ろでフェデリコ・フェリーニの映画「道」「魂のジュリエッタ」「サテリコン」などを女友達に解説しているのを聞いて「馬のクソでもぶつけたい」とつぶやいて、ひと悶着あったり、アニーが歌のオーディションを受けるので、アニーが「景気づけに何か言って」といわれたアルビーは「かわゆい」と言ったり、言葉のやりとりが飽きさせない。



アニーは、アルビーがニューヨークに縛られて、「死」に関する本ばかりにこだわっていると言って、自分は西海岸のロスで暮らすと、別々の道を歩むというのが現実となる。一方、コメディ脚本家のアルビーは、劇(脚本)では、ハッピーエンドになるようにストーリーを変えていたのだった。

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この映画は、テレビで見ていたと思ったが、未見だったようだ。
ウディ・アレンの作品は、70年代の作品はよく見たが「ボギー! 俺も男だ」(Play It
Again, Sam、1972年)はお気に入りの作品だが、「スリーパー」(Sleeper, 1973)は、タイトル通り眠くなった作品だった。「カメレオンマン」(Zelig, 1983)もいまいちだった。

80年代後半から90年代はほとんどアレン作品からは遠ざかっていたが「マッチポイント」(Match Point, 2005)や「それでも恋するバルセロナ」(Vicky Cristina Balcelona,
2008)、「ミッドナイト・イン・パリ」、(Midnight in Paris, 2011)「ローマでアモーレ」(To
Rome with Love, 2012)、「ブルー・ジャスミン」(Blue Jasmine, 2013、日本公開2014)などを見ると、昨年80歳になるアレンの健在ぶりが際立っている。


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