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<span itemprop="headline">映画「ギター弾きの恋」(1999)ウディ・アレン監督。</span>



ウディ・アレン脚本・監督の「ギター弾きの恋」(原題:Sweet and Lowdown, 1999、公開2001年)を見た。1930年代を舞台に、天才ジャズ・ギタリストの半生を描く人間ドラマ。不器用なミュージシャンの奔放な生きざまと真実の恋を、ジプシー・ジャズを交えて郷愁たっぷりにつづっている1930年代の衣裳や風景が良く描かれている。”グレイト・ギャツビー”と同じころか、雰囲気も似ている。
 
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1930年代、シカゴ。派手で目立ちたがり屋のエメット・レイ(ショーン・ペン)は、才能あふれるジプシージャズのギタリスト。音楽に身を捧げる一方で、娼婦の元締めをするなど裏社会でも顔のきく破滅的な人生を送っていた。


 
女遊びも激しい彼だったが、ニュージャージーの浜辺でナンパした口のきけない娘ハッティ(サマンサ・モートン)と出会って以来、2人は付き合うようになる。
 

しかし、やがてエメットは上流階級の美女ブランチ(
ユマ・サーマン)に惚れ、ハッティと別れてブランチと衝動的に結婚してしまう。だが派手好きな2人の夫婦関係は破局が目に見えており、案の定、ブランチはジャズ・クラブの用心棒アル(アンソニー・ラパグリア)との不倫に溺れてゆく。
 
裏切りと失意の中で空虚な日々を送るエメットは、やっと本心に目覚め、自分に本当に必要だったハッティを求めて再びニュージャージーを訪ねるが、彼女はすでに他の男と結婚していたのだった(MovieWalker)

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ジャズギタリストのエメットショーン・ペンは、天才的な音楽の才能を持っているが、アメリカではギターは一番と自負していたが、世界では2番目という意識があり、1位のフランスのギタリストであるジャンゴには到底かなわないというコンプレックスにとらわれている。これまでに2度ほどジャンゴが目の前に現れたときには、2回とも卒倒してしまったというのだ(笑)。
 
ところで実在したフランスのジャンゴ・ラインハルトDjango Reinhardt)は、ベルギー生まれで、ジプシー出身のジャンゴは、ジプシーの音楽スタイルと、アメリカからやってきたスウィング・ジャズを融合させたジプシー・ジャズジプシー・スウィングという音楽スタイルを生み出し、世界中のミュージシャンに影響を与えたと言われている。フランス名では、ジャズ・マヌーシュ(Jazz manouche)あるいはマヌーシュ・ジャズ(Manouche jazz)などと呼ばれているようだ
 
ギターの奏法に対してジャンゴが与えた影響は大きく、1920年代後半、ギターはソロ楽器・メロディー楽器としての役割は少なく、ギターはリズム楽器のひとつであり脇役であったがジャンゴ・ラインハルトはギターを主役とした楽器として使用した先駆けで、ギタリストのみではなく、多くのミュージシャンに影響を与え続けているのだという(Wikiなど)

ジャンゴの偉大さに畏敬の念を抱いていたエメットだが、自身は酔っ払ってライブに遅刻したり、すっぽかしたり、借金を重ねたりと、だらしのない生活を送っている、ぐうたら人間だった。女性に関しても、遊ぶのは好きだ「縛られたくない」と結婚などは全く考えていなかった

いつもの調子で、悪友と海岸にナンパに出かけ、二人の女性組を見つける。どっちにする、などと男二人で決めるが、エメットが選んだのは、きけない女性・ハッティだった。ハッティは、控えめな性格でだが、ピュアで気の優しい女性で、エメットの奏でる音楽に聞き惚れ、彼にだんだん惹かれていく
最初は「口のきけない女なんて冗談じゃない」と言っていたエメットだったがハッティと一緒に暮らしているうちに、気持ちが安らかになるのを感じ、ハッティのことを愛するようになっていく



ハッティ役
は、
サマンサ・モートンという女優だが、エメットが浮気した時の哀しい目やすねた表情など、気持ちがよく伝わってくる
一年後くらいに、元来束縛を嫌っていたエメットは、酒場で知り合った上流階級の美女ブランチ(ユマ・サーマンに気持ちが傾き、衝動的に結婚してしまう。いかにも派手なブランチとうまくいくはずもなく破局。傷心のエメットは、ハッティの存在の大きさに気付き、ハッティを探し求めて、見つけるがハッティはすでに結婚していた。
映画では、その後エメットがどうなったかはわからない、というウディ・アレンのナレーションなどがあるが、想像で、何通りかのその後が描かれていた。
アレンの映画としては、風刺やパロディなどのない、意外と純粋な映画だった。主演のショーン・ペンアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるなど、熱演だった。またギターを弾く様子も相当練習したのか自らが演奏し、自然体でうまかった。
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ギター弾きの恋」(原題:Sweet and Lowdown, 1999)
監督・脚本:ウディ・アレン
日本公開:2001年3月





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