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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「マンハッタン殺人ミステリー」(1993)ウディ・アレン監督・主演。</span>



最近、ヨーロッパを舞台にした映画で脚光を浴びているウディ・アレン監督だが、初期の頃のニューヨークを舞台にした映画を十数年ぶりに復活させた「マンハッタン殺人ミステリー」(1993)を見た。出演は、アレンと何度もコンビを組んでいるダイアン・キートンのほか、アンジェリカ・ヒューストンアラン・アルダなど。

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マンハッタンのマンション住まいで、一見優雅なカルチャー・ライフに浸っているラリー・リプトン(ウディ・アレン)とキャロル(ダイアン・キートン)夫妻。夫は書籍編集者、妻は広告会社のキャリア・ウーマンから家庭に入ったが息子も大学に入った今、レストラン経営を夢見ながら人生の刺激を求めている。


                  どちらも一歩も譲らない機関銃のような言葉の応酬。


そんなある日、隣に住む初老のハウス夫妻の妻(リン・コーエン)が突然心臓病でポックリ亡くなる。元来性急で詮索好きなキャロルはハウス氏(ジェリー・アドラー)の態度に疑問を抱き、自ら事件の調査に乗り出す。

俳優で演出家のテッド(アラン・アルダ)はキャロルに気があることもあってこの話に乗ってくる。キャロルの探偵行動は夫の忠告もよそにエスカレートしていき、ついに死んだはずのハウス夫人を目撃。

キャロルとラリーはとあるホテルに夫人を追って入るがそこで彼女の死体を目撃し、その死体を溶鉱炉に投げ込むハウス氏の姿も確認する。



テッドやセクシーな女流作家のマーシャ(アンジェリカ・ヒューストン)も集まりハウス氏の完全犯罪を暴く推理をたてる。そして彼を罠にはめるため周到な準備をするのだが自分に危険を感じたハウス氏はひとりで帰宅していたキャロルを人質にする。

いつも気の弱いラリーは愛する妻のために無我夢中で助けにいく。
ハウス氏は結局裏切っていた自分の愛人に殺され、リプトン夫妻は愛を確かめ合う(MovieWalkerより)。

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ウディ・アレンのコメディだが、ウディ・アレンダイアン・キートンの掛け合いはマシンガンのように早く、その掛け合いは絶妙で、漫才コンビのようだ。倦怠期直前の夫婦といったところで、とにかくどちらもよくしゃべる。相手の話を聞かずに、自分の主張を譲らない。

アレンは、過去の映画に対するオマージュか、映画のシーンが随所に登場する。家のテレビでは「ボブ・ホープの映画」が放送されており、劇場では「深夜の告白」や「上海から来た女」が上映されている。

妻がいつか自分の店(レストラン)を持ちたいといえば、「”カサブランカ”のリックのような店がいい。店はピーター・ローレのような顔をして、オレが見る」といった具合。

フレッド・アステア、オーソン・ウエルズ、ビング・クロスビーといった俳優の名前や、「去年マリエンバードで」「ボヴァリー夫人」といった映画のタイトルも登場。映画ファンを楽しませてくれる。手持ちカメラのため、カメラが左右にブンブン揺れるが、それも見所。

題名は、映画の中で登場する本のタイトルから来ているが、”夫婦探偵”(未見だが「影なき男」シリーズのウィリアム・パウエルマーナ・ロイとそっくりという)のハラハラドキドキの冒険が盛り込まれている。ダイアン・キートンは、神経質で、妄想が止まらない妻を演じているが、実にうまい。

大作家先生に扮したアンジェリカ・ヒューストンは貫禄がある。トランプ(ポーカー)の名人でもあり、アレンにコーチするシーンがあるが、アレンがトランプを扱うシーンが笑わせる。妻が浮気しているかもしれないと思い込み、トランプに集中できないのだが、ポーカーを多少でも知っている人なら、5枚のカードのうち、4枚を取り換えるなどはありえない。相手に「弱い手」ですと宣言するようなものだからだ。それでいて「ストレートを狙う」というのだから、動揺していると言わざるを得ない。

キャロル役には当初アレンの同棲相手ミア・ファローが予定されていたが、ファローの養子スン・イーとアレンとの関係が明るみにでたことから、ファローが出演を拒否。アレンの元恋人のダイアン・キートンが代わりに出演。ウディ・アレン作品は、時々、小難しい映画もあるが、気楽に見るにはいいかもしれない。

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