ポーランド映画で初めてアカデミー賞の外国語映画賞に輝いたパヴェウ・パヴリコフスキ監督の最新作「COLD WAR あの歌、2つの心」(2018)は、冷戦下の1950年代が舞台。時代に翻弄される恋人たちの姿を、美しいモノクロ映像と名歌で描き出したラブストーリー。
再生不可の場合はこちら:https://youtu.be/22AhQSjIIR4
■モノクロというのがいい。
恋人たちの時代に翻弄され国境をまたいで愛を紡いでいく姿を、美しいモノクロ映像で映し出していく。映像もさることながら、ズーラ役のヨアンナ・クーリグの美しい歌声と、民謡音楽からフレンチジャズ、エルビス・プレスリーに至るまで様々な名曲がさらに物語に彩りを添えているようだ。
■音楽がいい。劇中流れる音楽「ロック・アラウンド・ザ・クロック」といえば「アメリカン・グラフィティ」(1973)でもおなじみだが「暴力教室」(1955)が印象に残る。
ズーラ役のヨアンナ・クリーグは「イリュージョン」(2011)に続いて2回目のパヴェウ・パヴリコフスキ作品となる。ピアニストのヴィクトル役はトマシュ・コット。2015年にポーランドのアカデミー賞“オルウィ”(Orły)では、「Bogowie」(原題)で最優秀男優賞を受賞している実力派の俳優。また、パヴェウ・パヴリコフスキ監督の「イーダ」で主人公イーダのおば役を務めたアガタ・クレシャも出演している。