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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ゲティ家の身代金」(2018)

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巨匠リドリー・スコットがメガホンをとり、アメリカで実際に起きた誘拐事件を描いた「ゲティ家の身代金(原題:All the Money in the World2018)を見た。邦題は原作(日本語訳)通りで「オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド」にならなくてよかった。劇場公開は2018年5月。
 
映画の題材は、1973年に石油で財を成した大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫ポールが誘拐され、日本でも大きく報じられた事件。
 
ゲティは、50億ドルの資産を持ちながら身代金1700万ドルの支払いを拒否。
ポールの母ゲイルは、息子のためゲティと対立しながら誘拐犯と対峙することになり、やがて事件は思いがけない方向へと進んでいく。
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1973年7月のローマ。犯罪者たちの用意周到な計画に基づいてジョン・ポール・ゲティ3世が誘拐されるという事件が発生した。
 
犯人たちは、当時フォーチュン誌によって”世界一の大富豪”に認定されたゲティオイル社社長の石油王のジャン・ポール・ゲティクリストファー・プラマーに孫の身代金1,700万ドルを要求したが、彼は支払いを断固拒否する。
 
 
表向きは「もしここで身代金を支払ったら、他の14人の孫たちも金目当てに誘拐されるかもしれん」という理由ではあったが、総資産50億ドルとも言われるゲティは極端な守銭奴=けちとしても知られていた。その裏で元CIAの交渉人チェイスを呼び寄せ、孫の奪還作戦を指示する。
 
余裕飄々としているゲティとは対照的に、3世の母親であるアビゲイル(ゲイル)ミシェル・ウイリアムは息子が殺されるかもしれないと怯えていた。
 
 
ジョン・ポール・ゲティ2世との離婚で既にゲティ家を離れていたゲイルには身代金の支払いは不可能であった。一方で警察やチェイスはゲティ3世もしくはゲイルによる狂言誘拐を疑い始める。ゲイルの一挙手一投足を報道しようとマスコミが付きまとい、事件は世界中を巻き込んで加熱していく中、ゲティ3世の切り取られた耳が新聞社に送り付けられるという事態が発生する。 
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この映画はケビン・スペイシーの降板でも知られる。
完成間際の2017年11月、当初ゲティ役だったケビン・スペイシーがスキャンダルによって降板することになり、急きょクリストファー・プラマーが同役に起用され、第90回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。88歳で演技部門でのノミネート最高齢記録を更新した。スペイシー降板による撮り直しにかかった費用は10億円という。
 
 
それにしても、犯人グループは、当然身代金を払うと見ていたが拒絶されたことで、誘拐人物の片方の耳を切り取って、送りつけるという手段に出る。も支払わなけでば、次は足を切断すると脅かしてくるのだ。
 
ローマ帝国の宮殿のような建物を別荘に建設しようとするほどお金のある大金持ちのゲティは、果たして身代金を支払うことになるのか・・・?
 
誘拐された息子を救うために、戦う母親は、息子のためにイチかバチかの賭けに出るのだが、息子と再び会うことができるのか・・・?。
 
“世界中のすべての金を手にした”と言われた世界一の大富豪、石油王ゲティのケチぶりは驚きだ。金持ちほどお金に細かいというが。結局、身代金を払うということになるが、当人(孫)に”貸し付ける”ということにするのだ!
 
映画では、過去の時代などがさまざま交互に描かれ見ている側がやや混乱する。いかにして石油王の地位を築いたかを説明するものだからだが、1973年ローマ、1971年モロッコ、1948年サウジアラビア、1964年サンフランシスコ・・・。
 
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サウンド・オブ・ミュージック」で”トラップ大佐”を演じたクリストファー・プラマーは今年90歳で現役というのもすごい。ミシェル・ウイリアムは「ブロークバック・マウンテン」(2005)「彼が二度愛したS」(原題: Deception, 2008)などで有名になり、その後も「マリリン 7日間の恋」(2011)「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(2017)「グレイテスト・ショーマン」(2018)など今や実力派人気女優の一人。まだ38歳というのも驚き。
 
映画は暗く、残酷なシーンもあり、後味もあまりよくないので割引。