「きみに読む物語」(原題:The Notebook, 2004)を再見した。
初見は、台湾の劇場で夜中に眠い目をこすりながら日本語字幕なし(字幕は中国語)で見たので、セリフなど細かくは理解していなかった。再見してよくわかった。
主演のライアン・ゴズリングは当時はほとんど無名だったが、その後「ドライブ」「スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜」「ラ・ラ・ランド」などで売れっ子俳優となった。
ヒロインを演じるレイチェル・マクアダムスは、一見すると”安藤玉恵風”のルックス(ということは特段美形ではないということ。失礼)でこの映画でブレイクを果たした。その後「ミッドナイト・イン・パリ」「スポットライト 世紀のスクープ」などに出演している。
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お嬢様育ちのアリーと貧しい青年ノアの身分の違いと時を超えたロマンティック・ドラマ。物語は2つの時系列で交互に展開され、1940年のアメリカ南部を舞台に繰り広げられる、アリーとノアの出会いと別れ、そして再会の物語を、療養施設に入所している老人デュークが、認知症で過去を思い出せない老女に、毎日読み聞かせるという構成となっている。
原題「The Notebook」は、名詞で「ノート(手帳)、備忘録」といった意味。
ストーリーが、ノートに書かれた物語を読み聞かせることで進んでいくことからこのタイトルになっている思われる。原題が単純な「The Notebook」と表現されているが、邦題は内容を汲み取って「きみに読む物語」となっている。
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物語は、1940年のアメリカ南部シーブルックが舞台。
青年ノア(ライアン・ゴズリング)は別荘にやってきた17歳のアリー(レイチェル・マクアダムス)に一目惚れ。強引にデートに誘い、映画を見て語り合った後、仲良くなり、2人は付き合うようになる。
初めてノアの家を訪ねていくとテラスで詩を読んでおり、これが物語全体に関わってくる。父親はやさしく、夜にもかかわらずパンケーキを勧める。
ノアは、いつか買い取って農場を始めたい古い屋敷にアリーを連れて行くが、彼女の両親が探しているといわれ中断。その後も二人の仲は認められず、ひと夏の出来事(サマー・ロマンス)が終わった。
大学生になったアリーに毎日手紙を出したが、戦争が始まり、ノアは徴兵される。
アリーは裕福な弁護士ロンと婚約する。
連絡がなかったというアリーに365通出したというが、母親によってすべての手紙が本人に届けられず没収されていたのだった。
老女は「そして、どちらを選んだの?」と聞いてくるが、湖を夕日が染める頃、「もちろんよね」と語ったところで、ふと「それって、私たちね」と老女が気づくのだった。
しかし、記憶はわずかしかもたない。肩を震わせて泣くノア。
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認知症を患い過去を思い出せずにいるアルツハイマー症の老女と共に療養施設へ入寮しているデュークは、ノートに書かれた物語を彼女へ読み聞かせているが、老女が最後に、一瞬だが、この話は、自分たちの話だと気づくところで感動させられる。
夜中に、道路のアスファルトに寝そべったり、観覧車で、デートに応じなければ手を離して、下に落ちると脅したり、見せ場も多い。
郷愁をそそるような青春物語の一面がありながら、晩年にノアが認知症になって、子供たちと会っても覚えていないというのは切なく、最後の結末は・・・。
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