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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「燃ゆるとき THE EXCELLENT COMPANY」(2006)</span>


燃ゆるとき THE EXCELLENT COMPANY」(2006)を再見した。
アメリカに進出した日本企業が現地で様々な”予期せぬ出来事”に直面しながらも成功を勝ち取るまでの実話(「マルちゃん」の東洋水産)の物語で、今見ても熱いドラマで、感動させる。原作は、高杉良によるビジネスマン小説で、東洋水産が海外進出を果たした際の苦悩を元に描いたノンフィクション小説がベースになっている。
一度記事にしているので、物語はこちら:http://blogs.yahoo.co.jp/fpdxw092/58729876.html
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1980年代の日本企業のアメリカへの進出ぶりはすさまじかったし、アメリカの象徴といわれるビルの買い占めや、映画会社の買収などが活発に行われていた時期でもあった。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などという本がヒットし、もてはやされたが、今から思えば、隔世の感がある。

日本とアメリカでの従業員のものの考え方の違いが浮き彫りにされるが、日本的なやり方が理解され始めたころでもあった。投資会社によるユニオン結成により、待遇を上げられるという口車に乗せられて、従業員は「ユニオン賛成派」「反対派」「中間派」の3つのグループに分断されてしまう。それぞれのグループに説明・説得をする日本人幹部たち。
アメリカの現地会社のトップ(鹿賀丈史)ですら、生き残りのためには、合理化を進めるべきだと考え、コスト削減、人員削減を断行していく。「ぞうきんは絞っても絞っても水が浮き出るだろう。」
人員解雇の対象は、遅刻・欠勤などをポイントで表し、得点が高い従業員から解雇していくというもの。解雇される人物の名前が読み上げられていく。
「エミリオ・~」「ペドロ・~」「アルベルト・~」「カルロス・~」、読み上げられた中には「ふざけんな!」「5年間も働いてきたんだ」「家族をメキシコに残してきた。3人の子供はどうなる。お金がいるんだ」など怒号や叫びが聞こえてくる。
赴任したばかりの資材担当の川森潔中井貴一)は「そこまでしなくても」というと「この国で一旗揚げようと国境を超えてきている連中だから、考えている。たくましいんだ」。
リストラにあった人間の何人かは、車に乗り込んで、「クビにしやがって。Go Home(日本に帰れ)」とモノを投げつける。
学歴がない女性従業員キャサリン(サマンサ・ヒーリーは、資材、製品に関する知識も増やし、スペイン語も話せるが、昇進がないことに不満を抱く。キャサリンは、就業時間が終わるといつも時計を見て、急いでいる様子。
川森中井貴一)は、資材(油)の供給元都の連絡ができないことから、キャサリンの家を訪れると、トレーラーを家にしたような簡素な家で、子供と夫がいて、夫は飲んだくれで、キャサリンの稼ぎを当てにして「もっと稼げ」と怒鳴り散らしていた。「明日のレースで儲ける」とわめいていた。
そんなキャサリンは、投資会社から目をつけられて、会社からセクハラを受けたようなでっち上げで会社に復讐するように仕組むことをそそのかされたのだった。
セクハラを受けたということで、イメージが落ちたところで、投資会社が会社を買いたたくというのが投資会社の狙いだった。一方、会社としても、裁判をするとなれば、長期に及び、裁判費用、弁護士費用が膨大になる。弁護士は、示談を進めてくる。
会社の弁護士が自ら「この国では弁護士が問題を作り上げる」と平然と言ってのける。
3年経過したころ、アメリカの事業も安定してきたが、不穏な動きがある情報が飛び込んできた。それは、社内にユニオン(組合)を作ろうという動きだった。これも、投資会社の策略だった。
口八丁の輩が、従業員を前に説明会と称して、言葉巧みにユニオン結成をたきつける。しかも、キャサリンに対するセクハラの疑惑で帰国していた川森中井貴一)が再び工場に戻ってきたことを材料に、会社にゆさぶりをかけようとする。その団交の席にキャサリンも同席させるのだった。果たして、キャサリンは何を語るのか・・・。

キャサリンの言葉は、意外なものだった・・・。しかも、それは感動的な言葉だった。
キャサリンの言葉を聞いた従業員たちは、大声で叫んだ。
スーパーをSun Sunヌードルで埋め尽くそう!」。
出演は、中井貴一鹿賀丈史津川雅彦伊武雅刀大塚寧々長谷川初範、木下ほうかなど。
日米間のビジネスの違いや、従業員などのものの考え方の違いなどを断片的だが浮き彫りにしていた。日本多岐な考え方は、「人は財産」だが、米国では、企業勤めは、自身のステップアップの場に過ぎない。会社のノウハウを持って、他社に転職して、そのノウハウを使われてしまうという懸念があるのだ。
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ネット社会の現在では、若者がパソコンに向かって「デイ・トレード」(株の売買)などで、労せずして大金を手に入れようという風潮があるが、20年、30年前の製造メーカーのエンジニアや営業マンは、外国にも飛び回って、活力があったことをうかがわせる。今では通用しない20世紀型のビジネスと言えなくもないが・・・。
映画に登場する昔気質の社長(津川雅彦)は、川森中井貴一)が、罠にはめられて示談金を取られることになるが、その額が10万ドル(当時の換算で3,000万円)だった。「カップヌードル45万個分だな」と社長。「新製品が45万個売れるかな」だった。
川森の濡れ衣は、キャサリン自らの言葉で晴れた。「私がウソをついていた。投資会社に言われた」ことを全従業員の前で告白したのだ。サマンサ・ヒーリーという女優は、オーストラリア出身の女優ということだ。

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