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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「インターステラー」 (2014)

 
クリストファー・ノーラン監督の最新作「インターステラー」を見た。
約3時間の映画で、気合を持って臨まないと居眠りをするかもしれないという、やや難解な映画だった。
 
タイトルの「インタステラー」とは、”惑星間移動”を意味する言葉。
地球の寿命があとわずかだと判明した未来で、人類は新たな惑星を探すことを選択。人類の存亡を懸け、そして愛する子供たちの未来を守るため、ひとりの男が前人未到の地へと旅立つ話・・・と考えればいいのかもしれない。
 
 
子供たちには「必ず帰る」と約束したものの、宇宙での数時間は地球上での数十年に相当し、地球に残された娘などは「見捨てられた」と思ってしまう苦悩も描かれる。地球から、一方的に、画面上で娘が父親が地球を立った時期の年齢に達した頃話しかけるが、宇宙からの返事はない。
 
物語のベースに用いられているのが、宇宙理論の研究で知られる天体物理学者キップ・ソーンの理論。ワーム・ホールを使ったソーンの恒星間航行法などが取り入れられたという。
 
ウィキによると、ワームホール (wormhole) とは、時空構造の位相幾何学として考えられる構造の一つで、時空のある一点から別の離れた一点へと直結する空間領域でトンネルのような抜け道である。平べったい宇宙船が進むと、ガラスの破片か、氷の中を進むような、ガシャガシャと進む場面など、未体験空間が待ち構えている。
 
 
独特の映像表現や劇場が揺れを起こしたような錯覚を覚える轟音が響く大音響は、驚きだったが、映画で「5次元」の世界を描けばこうなる、というような映像を見せられたような印象だ。
 
これまでにノーラン作品はインソムニア」「バットマン」シリーズ(「バットマン・ビギンズ」や「ダークナイト」)、「インセプション」などを劇場で見てきたが、どれもこれも凝っていて、重厚さは伝わって来るが、ヘビーで考えさせられるような映画が多い。
 
インターステラー」は、近未来の地球が飢饉などの危機に直面していることから、宇宙の彼方に、人類が住める惑星があるに違いないと旅立つ話だが、実は・・・という事実が後で分かる。
 
蛇足だが、最近、邦画の「ユリイカ」(2001)という映画を見たが、この映画の中で、アン・ハサウエイ演じる生物学者アメリア・ブランド博士の発する言葉が「ユリイカ!」(字幕:謎が解けた!)だった。ユリイカという言葉は、ラテン語で「発見した」という意味だが、こういう時に使うのか、とわかった。
 
 
出演したマシュー・マコノフィー(「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「ダラス・バイヤーズ・クラブ」)、アン・ハサウエイ(「レ・ミゼラブル」「プラダを着た悪魔」)、ジェシカ・チャスティン(「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」「ゼロ・ダーク・サーティ」)なども相当物理用語などを勉強したといい、相対性理論や、”マーフィーの法則”(主人公の娘の名前がマーフで、幽霊が見えるらしい超能力を持っている)や、”5次元”(時空間が加わる)といった世界についての知識がないと、なかなか理解しにくい映画だった。これまでのSF映画のような、単純にワクワクするようなミステリアスな宇宙を描いた作品とは異なる。
 
前半は、地球のシーンが続くが、NASAアメリカ航空宇宙局)がまったく、世間から隔離され秘密裡に活動している姿が描かれ、宇宙に旅立つ挑戦者たちが選ばれてミッションを遂行する。
 
 
 元・エンジニア、物理学者などが命懸けで宇宙に向かって飛び立ち、たどり着いたところは、果たして・・・という光景が驚きの世界。
 
ベテラン俳優・マイケル・ケインを始め、マシュー・マコノフィー、アン・ハサウエイ、マット・デイモンなどの演技は素晴らしいが、やや消化不良の映画だった。
 
同じ宇宙を描いても「ゼロ・グラビティ」の方が、90分と時間もコンパクトで、3Dで見たせいもあるが理解しやすかったし感動的だった。
☆☆☆ (ノーラン監督作品は、あまり相性が良くないようだ)
 
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