昨年の1月からテレビドラマでみていた「ストロベリーナイト」の映画版をきょう(2月3日)朝、見てきた。”インビジブルレイン”(目に見えない雨)がサブタイトルだが、映画の全編にわたって、雨模様の背景が際立っていた。
映画版は、いろいろな評価があるようだが、ドラマ版と比べて、10倍面白く、時には「うっ」と言わせるような、重厚なドラマだった。正義とは何か、も考えさせられる。
今回の映画版は、警察の上層部は、警察組織の体面と威信を優先して、末端刑事の「正義」などは、靴を何足もすり減らして行う”仕事”であると考えている。
そうした警察内部の超・官僚機構と隠蔽と戦う、”お嬢ちゃん”とさげすまれながらも、ひるまず強気な性格の捜査第一課・主任・姫川玲子(竹内結子)が、一人で真相究明に乗り出す。
自身が17歳の時に暴漢に襲われ、心と体に傷を負って以来、異性との接触は避け、仕事一筋に生きてきた姫川だったが、天涯孤独のヤクザ・牧田勲(大沢たかお)と出会ったことで、同じ闇を持つ人間同士、共感を覚え始めて…といった展開で、ドラマでは見られなかった姫川の「女」の部分が・・・。
姫川が持っている高級そうな赤いバッグ。
ローンの24回払いで買ったという中古のバッグの色が赤い色。
その赤い色の謎もやがて明かされる。
やや脱線するが、この映画で大沢たかおの演技のすごさを思い知った。
映画は「世界の中心で、愛をさけぶ」くらいしか見ていなかったが、時代劇などにも出ていたが、やや線が細いような印象だったが「ストロベリーナイト」では、ヤクザである顔とビジネスマンとしての顔を使い分け、姫川をも惹きつける魅力を持ち、主役といってもいいほどの重量感と存在感を示している。来年度の日本アカデミー賞のノミネーションは間違いないだろう。
映画のエンディング・ロールに出演者の名前が出てくるが、主要人物(竹内結子、西島秀俊、小出恵介、高嶋政宏、渡辺いっけい、遠藤憲一、生瀬勝久、宇梶剛士など)がでて、今井雅之などのわき役陣、そして石橋蓮司、三浦友和(友情出演)とでて、最後に大沢たかお・・・とでてくる!クレジットでも大物感が漂う(笑)。
このドラマを見ていたものにとっては、姫川班で姫川と行動を共にすることが多い忠実な部下である菊田和男(西島秀俊)の姫川に寄せる特別な感情が、直接伝えてはいないが、姫川はどのように受け止めていたのかが、ラストシーンで明らかになる!(とうとう二人の間の○○を超えることはなかったが、菊田が言いかけた言葉をさえぎって、姫川が「xxxx」といったので、少々さびしい気もするが、すがすがしい気もする。)
さて、映画のほうは、4人の連続殺人事件の謎。
警察は、暴力団の内部抗争で決着をつけようとするが、姫川が事務所を離れようとすると、外部から、タレこみの電話が。「犯人は、XXXXだ」とテープに吹き込まれた声。そのことを入院中の直属の上司の十係係長・今泉春夫(高嶋政宏)に伝えると意外な言葉が返ってきた。「その件は触れるな。誰にもいうな」だった。
納得できない姫川。今泉の上司の橋爪管理官(渡辺いっけい)、さらにはその上の警察内部の重責者から、その件は触れるなという、姫川にとっては理解しがたい命令が待っていた。
殺人事件の関連所轄の合同捜査会議が開かれるが、姫川は、姫川班のメンバーにも知らせず、単独で捜査を始めるが・・・。
最近やくざ映画「アウトレイジ ビヨンド」などを見ているせいか、ヤクザの描かれ方にも興味を覚える。大沢たかおのヤクザ像は、物腰も紳士的で、姫川の心の闇も見破ってしまうほどの洞察力があるインテリヤクザ。牧田(大沢たかお)が、姫川に「殺したい奴がいるんだろう?」と聞くところなどは、ゾクゾクとしてしまう。そうなのだ。そもそも、姫川が刑事になった背景とは・・・。
捜査一課長として、間もなく定年を迎える和田徹(三浦友和)。
橋爪(渡辺いっけい)、今泉(高嶋政宏)らはみな、和田に育てられた「和田学校」の門下生。いま姫川が独自に調査していることは、9年前に起こった警察の隠ぺいを白日のもとにさらすことになるのだ。和田の引退に際して汚点を残したくないというのが橋爪、今泉、さらにエリート刑事部長・長岡(田中哲司)の考え。蒸し返されれば、関係者全員のクビも吹っ飛んでしまう一大不祥事。
記者会見で、殺人事件の全貌を発表する警察陣のとった発言とは・・・。
こうしたミステリー、サスペンスは、明らかにできないのでこの辺で・・・。
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