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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「おとうと」(2010)</span>

山田洋次監督の最新作「おとうと」を公開から遅れて、昨日見た。

女手一つで娘を育ててきた姉(吉永小百合)と、大阪で芸人にあこがれながら破天荒な暮らしを送る弟(笑福亭鶴瓶)との再会と別れを描く家族ドラマ。

山田洋次監督にとっては、現代劇は10年ぶりという。
かつて同名作品を映画化した市川崑監督にささげる、と映画の最後にあるように、市川監督への「オマージュ」作品。

日本を代表する女優といえば、吉永小百合といえるが、吉永作品はあまり見ていなかった。
CMなどのイメージ通り、ひたむきで“いい人”の役が多く、展開が予想できてしまう・・・というところにやや不満があったからかもしれない。「母べい」を見て、やはりしっかりした女優で、ここまで徹底していれば、見てもいいかなと考えを変えていたところ、たまたま見る機会を得た。




夫を亡くした吟子(吉永小百合)は、東京のある商店街にある薬局を女手一つで切り盛りしながら娘の小春(蒼井優)を育て、義母の絹代(加藤治子)と3人で暮らしていた。やがて、小春の結婚が決まり、結婚式当日を迎えるが、吟子の弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶)が紋付はかまで大阪から現われ、披露宴を酔っ払って台なしにしてしまう・・・(HPより)。

ダメ弟は、まるで「寅さん」であり、賢い姉は「さくら」そのもの。

そのおとうと、鉄郎は、姪の小春の結婚式では、参加者、とくに新郎と新郎側の親族などは、大学、医療関係の人が多く、鉄郎のハチャメチャぶりに、不快感を・・・。さらに追い打ちをかけるように、新郎も小春に対して、結婚前に、車の免許も、歯の治療も済ませておくべきだなどという上から目線。

こんな夫は仕事オンリーで、家では会話もなし。小春の母が新郎と面会し、「夫婦は向き合って話をするべきでは」と助言しても「何を話すことがあるのか」と取り付くしまなし。こんな状態では、先が思いやられる、と思う間もなく、離婚することに・・・。

弟を演じる鶴瓶は、「ディア・ドクター」に続いて主演し、熱演している。

酒さえ飲まなければ、まともだが、酒が入ると、我を忘れて、歌いだし、暴れる。

「どんな家族でも、一人くらいは変わり者がいるものだ」というセリフがあるが、確かに・・・爆。

弟は、誰からもほめられたことがなく、頼りにもされないで生活を送ってきた。しかし、最後には、大勢の人に見守られて・・・。

小春は、バツイチとなるが、「見合いはこりごり」と、以前から小春に好意を寄せていた近所の若者と
再婚する。吟子は、美人でしっかり者だが、夫を亡くした後、現在でも再婚をしていないのは、など定かではないが(弟から、厄介ものの俺がいるからだろうといわれるが、否定している)、もったいない?気はする。近所のおじさんたちからは人気がある(笑)。

庶民派の山田監督にとっては、お金持ちの鼻もちならない態度を皮肉るとともに、死期を迎えた人間の命の尊厳さなども描いていた。

笹野高史森本レオ小日向文世石田ゆり子加藤治子(87歳!)、近藤公園など脇役もたくさん出ていて、人情、喜び、悲しみなどを表現していた。


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