30年前の日本の家電・オーディオ業界は、世界でもすごかった。
日本のオーディオ製品というと、昔は、御三家といわれた「トリオ(ケンウッド)」
「サンスイ(山水)」「パイオニア」が有名だった。
ところが、サンスイは香港の会社に買収され、トリオ(ケンウッド)も
オーディオから撤退、他の分野(計測、無線など)に行き、唯一、パイオニアだけが残っていた。
パイオニアは、もともとスピーカーの会社だったが、カーステレオ、カーナビ
を中心に伸び、音と映像ということで、「レーザーディスク(LD)」で伸びたが、
LD自体が、DVDの登場などで、隅に追いやられてしまった。
パイオニアが次に手がけたのがプラズマ(PDP)。
パネルとテレビと両方手がけるめずらしい会社だったが、この度、PDPパネル事業から撤退する
というニュースが大きく報じられた。
これには驚く。
パイオニアは、PDPでは、先頭グループの1社だったからだ。
テレビではないが、空港、駅などの産業用といわれる分野のPDPでは
群を抜いていたからである。
ということで、PDPのパネルを作る会社は日本では松下電器が独走態勢となった。
他では日立があるが、スケールでは、遠く及ばない。
会社の寿命30年とはよく言ったもの。
あの天下のソニーも創立60年にもなるが、ここ10年ほどは、「CRT」のベガのヒットの
ため、液晶テレビで出遅れたツケが今来ている。
日本メーカーの生き残りが厳しくなっている。
韓国のサムスン電子などは、日本では知名度はゼロだが、海外では、ブランドの
イメージは、ソニー、パナソニックをしのぐほど。サムスンの携帯電話が
ステータスといわれるという。
恐るべし、韓国企業。
もう、国策という感じ。
日本も大連合を形成しないと、国際企業として、生き残れない時代に
なったのかもしれない。
昔、パイオニアのレーザーディスクで、「白い巨塔」などの映画を見ていた一人として
ちょっとさびしいかな、と感じる今日この頃。
35年前に最初に買ったステレオは、パイオニアのシステム・コンポだった(笑)。
がんばってほしいですね。