え、そんなドラマまで見るの?といわれそう(笑)。
平成の歌姫・浜崎あゆみ誕生に秘められた出会いと別れを描いた話題作「M 愛すべき人がいて」(小松成美著・幻冬舎文庫刊)が、今春、安斉かれん&三浦翔平主演でドラマ化された。AbemaTVで第1話~3話まで見た(以降は予定なし)。
浜崎あゆみの半生を再現したような「M 愛すべき人がいて」が発表されたときには、勝手な思い込みで、歌手として売れなくなったので本を出したのかくらいに思っていた。それは違っていた。
ドラマ化されて、当初はぶりっこキャラであざといイメージだったが、最近は女性層にも人気があるというアナウンサー・田中みな実が”怪演女優”ぶりを発揮しているというので見てみた。眼帯で、粘着タイプで怖そう(笑)。
ノンフィクション風の恋愛模様を描いているが、登場する人物がある程度誇張されているが、俳優陣がなかなかよかった。
タイトルの「M」とは、プロデューサーの「マックスマサ」(モデルはエイベックスの(MAX)松浦勝人)で、三浦翔平が演じている。ややかっこよすぎか(笑)。
1990年代における浜崎あゆみと、その周囲にいた実在の人がモデルとなって、アユ(浜崎あゆみ)が国民的スターになるまでを描いている。本格デビューするまでは、かなり周りから嫉妬によるいじめを受けていたことがわかる。
出演者では、アユが元々所属していた事務所の中谷社長(高橋克典)はサンミュージックの相澤社長(先代の方)。かなり派手な輝楽天明(新納慎也)はTKこと小室哲哉。アユの祖母・幸子に市毛良枝、アメリカのアユのトレーナーに水野美紀、主人公アユにはエイベックス所属の安斉かれんが扮していて雰囲気がでていて、等身大ですばらしい。
マサと社内で対立する大浜社長(高嶋政伸)は当時エイベックスの社長・CEOだった依田巽氏がモデル。いわゆるエイベックスのお家騒動で、エイベックス会長兼社長の座を去った依田氏だが、その後「東京国際映画祭」チェアマン、財団法人東京交響楽団(現・公益財団法人東京交響楽団)理事、社団法人日本レコード協会(現・一般社団法人日本レコード協会)顧問などを歴任、ギャガ・コミュニケーションズ(現・ギャガ株式会社)代表取締役会長兼社長CEO。
余談になるが、今では雲の上の人で、声もかけられない依田氏だが、もともとは日本のオーディオ御三家といわれた山水電気(サンスイ)の米国支社の責任者。日本に帰国した後も、時々米国に出張で来られていた時の30年前に当時駐在中だったfpdはニューヨークで、寿司をごちそうになったり、20数年前には、六本木のディスコ「ベルファーレ」に米国時代の仕事仲間数人が会食に招待され、会社の先輩が特に親しかった関係で、若輩者のfpdも末席に招かれたのだった。
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ドラマでは、マサは、アユをグループの一員としてデビューさせるという大浜社長と真っ向から対立。「アユは、ソロとしてこそ輝く。選んだのは私ではなく、神が選んだ」と主張、役員会で「ここにいるすべての人のボーナスはアユの大成功が稼ぎだす」といいきる。「アユはアイドルでも歌手でもなく、アーティストになる」というのだ。アユ自身も「私の夢を、ほかのグループメンバーに合わせるつもりはない」と言いきった。こうして、二人三脚の戦いが始まる。
アユは、のちに「平成の歌姫」と呼ばれ、女性たちのカリスマとして君臨することになるアーティスト。楽曲だけでなく、ファッションやメイクなどすべてが注目を浴び、一大ブームを巻き起こすトップスター。
幼い頃に父が蒸発して以降、福岡で母と祖母と暮らす女子高生。地元・福岡では事務所に所属し、主にモデルとして活動。一念発起して、本格的に芸能活動を始めるため、祖母と上京。高校に通いながらタレントを続けるが、入ってくるのはエキストラのような仕事ばかり。
そんなある日、友達に誘われ、初めて足を踏み入れたディスコで、レコード会社「A VICTORY」の専務・マサと出会ったことで、急激に運命が動き始める。
所属している事務所を辞め、マサの指示でニューヨークに渡ってレッスンを受けるなど、歌手デビューに向けての準備が始まる。
厳しいレッスンを終え、帰国したアユを待ち受けていたのはマサに特別扱いされることへの嫉妬やひがみ、そしてライバルたちの壮絶な嫌がらせだった。
しかし、自分の才能を見出してくれたマサの言葉だけを信じて耐え抜き、ひたむきにレッスンに取り組むうちに、いつしか信頼感が恋心に変わっていく――。
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嫉妬や愛憎渦巻くドロドロ劇や”昭和のスポ根”風のシーンもあるが、おひまなら見てよねというドラマだった。