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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「初恋 地獄篇」(1968)</span>


 羽仁進監督の「初恋 地獄篇」は、大島渚監督の「日本春歌考」との2本立てで見た。

 「初恋 地獄篇」(1968)は、強烈な印象がある。公開4年後の1972年に、2番館で見た。
 
 シュン(少年)とナナミ(少女)の初恋と言うには、あまりにも、傷だらけの青春映画
 だった。シュンの波乱に満ちた人生。7歳で、父が死に、母が再婚。家を出されて、
 教護院に入るシュン。

 そこから、今度は、彫金師の家にひき取られ、仕事の手伝いをしながら成長していく。
 孤独な日々を送るシュンだったが、ある日、ひとりの少女ナナミと知り合う。

 ナナミは、集団就職で上京した後、いまヌードモデルをやっている。
 安ホテルで、初体験となるところだったが、うまくいかず・・・。

 ある日、シュンは、公園で幼ない女の子に会う。シュンは、その少女の柔かい皮膚の感覚に、
 幼ない日の郷愁を誘われたが、物蔭で二人を見ていた男に変態扱いされてしまう。

 精神病院へ連れていかれたシュンは、医師の暗示によって過去を想い出したが、それは嫌な
 記憶ばかりだった・・・。

 寺山修司と羽仁進が共同でオリジナル・シナリオを執筆。

 「初恋」という自主映画を見るシュンとナナミ。
 それは、一人の少年が自立していくストーリー。
 自分たち二人の現実に照らして、大いに感動を呼ぶものだった。
 次の日にホテルで会う約束をする二人。
 次の日に、シュンがホテルへ向おうとするが、途中やくざに追われて、
 自転車にぶつけられ怪我をしてしまう・・・。

 だれでも一度は通る青春の苦悩、ほろ苦さ・・。それもその後の人生の
 成長のための試練か・・。今、この映画を見たら、見方も違うだろうが、
 現実に同じようにもがいている時代に見たら、苦しい、切ないということに
 なるのだろう。かなり、重い、厳しい映画だったかもしれない。
 記憶の彼方になってきた(笑)。