今朝のテレビ番組。ちょっといい話でした。
ニューヨークに住んでいる矢野顕子さんが、自分の出身の青森の小学校を40年ぶりに訪問するという
企画でした。これが、なかなかおもしろいのです。ほとんど初めて見聞きしましたが、
気さくな人ですね。
小学6年生の生徒36人を前に ”1日、音楽の先生”ということで、教室に入ります。
矢野さん:「音楽が好きな人手を挙げて?」→手を上げる生徒ゼロ。
「音楽が大きらいな人は?」→これもなし。(誰か、「大嫌いというわけでは」・・
とかぶつぶつ)
「どっちでもいい、という人は?」と聞くと→半分くらいがちらほら手を上げる(笑)。
先生:音というと、どんな音があるか、生徒に紙に書かせると・・・。
集まったのは、「ゲームの音」「テレビの音」「金属の音」など。
このあと、校舎の中の調理室、保健室、表などをぐるり回って・・・。あらためて、どんな音が
聞こえたか聞くと。「ねぎを切る音」「きゅうりを切る音」「雪を踏む音」・・・と聞こえてきた
という。無機質の音(金属音など)ばかりと思っていたのが、自然の音や、作業の音などが
聞こえるという話。
音楽とは、音を楽しむ。音の楽しさと、説明する矢野さん。
矢野さんは、小さいころから、弱視で、なんでも耳、音で判断してきたとの事。
普段は、コンタクトを使っているが、これがなければ、階段も上れないとのこと。
同じように、こんな音がなくなったら、さびしい、という音があるかどうか、が
生徒たちの宿題。家に帰った生徒は、親とも相談して、あれこれ考えていました。
耳を澄ますと、普段意識していなかった音がいろいろ聞こえてくるという、音を
聞き分ける能力が大事とか言っていました。
その音を聞くと、ある記憶が呼び戻ってくるとも言っていましたね。
矢野さんの場合は、小さいころ、家にいて毎日のように母親が食事の準備をしてくれ、
毎日の風景の中から、あの「ごはんができたよ」の音楽が生まれたとのこと。
小さいころから、こういう先生に音楽を教わっていれば、音楽の感性も磨かれると
思いましたが・・・(笑)。矢野さんは、何かあったときに、母親から、「今日は
どうだった」と聞かれて、言葉で返事をするのでなく、ピアノに座って、曲で
表現したそうです。いや、なかなかできないことです。
今日、生徒のみんなに会った気持ちはこうです、とピアノで弾いていました。
「これが、喜びの感想です」といっていました。