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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">1970年代(65)「青春の光と影」</span>


 「青春の光と影」(1969、原題:Changes)。これも公開が70年以降。

 1972年に見る。学生だった自分と同じ年代の若者の悩み、挫折感などを
 映画で感じた。映画は、激しく変動する現代に生きる若者たちをシャープに
 捉えていた
。音楽が数多く使われていたが、特に印象深いのは、カメラが
 スローモーションの場面でずっと使われていた曲。
 ジュディー・コリンズの「青春の光と影」はいい曲ですね。。 俳優は、大半が無名役者ばかり。
 
 ストーリーは・・・。たった一言、いい足りなかったばかりに恋人ボビー
 を波間に失った若者、ケント (ケント・レイン)の心には、何もかもが空しく
 みえた。大学の講義、友だち、文明の発展も・・・。そんな虚無感を感じて、
 世間をもっと知ろうと、ケントは、カリフォルニアを南へヒッチハイクの旅に
 出ます。いろいろな人との出会いから、新たな出発を決意するというもの。
 悩める若者の自分探し・ロード・ムービーか(笑)。

 途中で、ケントは、自分と同じように気ままな旅を続けるジャーナリストの
 クリスティンに出会い、教育、宗教、セックスについて若者にインタビューを
 求めて歩くクリスティンとの旅で、ケントは少しは世間を見る新しい目が
 開かれたような気がしてくる。

 そのクリスティンとも別れ、ある港町に来たケントは、そこの酒場で
 2度の結婚に破れた、あばずれ女ジュリーを知り、懸命に生きる彼女に激しく
 ひかれた。しかし、未熟な若者と人生の裏を知っている女との恋の破局はすぐに
 くる。

 小雨が降る朝、ケントは、見知らぬ町で、見知らぬ人と、新しい話をするため
 また、出発するのだった。傷ついた心は早く忘れよう。忘れようにも忘れられ
 ない傷の痛みは、青春のかけがえのない思い出・・・それがいつかは役に立つ
 ことになるだろう・・・と信じていたのでしょう。そんなことを考えながら
 行くケントの後姿に雨と、にぶい光が落ちていた。

 このころ(1970年代前後)は、学生運動、ヒッピー文化、反戦運動ノンポリ
 などが日本だけでなく、アメリカでも蔓延していたようで、屈折した青春像
 描いた映画が多かったような気がします。「イージー・ライダー」などがその
 代表でしょうか。ベトナム戦争で、疲れきったアメリカを反映していたといえる
 かもしれません。