↑ジェニファー・オニールのような ”年上の女性”
だったら、中学生はあこがれるでしょう(笑)
「おもいでの夏」(1971年、原題:Summer of '42)は、ノスタルジーを感じさせる青春映画でした。
誰もが通過する思春期の淡い経験(この映画では、15歳の少年が主人公)が、ほろ苦い。
この映画を見たときは、主人公よりも、”ちょっと上”の年齢でしたが、年上女性への憧憬の念など が、回想形式で語られていき、ミッシェル・ルグランの名曲と共に、
忘れえぬ名作として、残ります。ジェニファー・オニールが、年上の女性を好演。
ミシェル・ルグランといえば、「シェルブールの雨傘」をはじめ、「ロシュフォールの恋人たち」
(群像ミュージカル)、S.マックイ-ンの「華麗なる賭け」(”風のささやき”)など、フランスを
代表する映画音楽・作曲家。最近でも、舞台ミュージカルで、音楽を担当していることを知り、
息の長い音楽家だなあと思って、その代表作の1本「おもいでの夏」を ”おもい出して”
取り上げたわけです。1932年生まれ、74歳。
さて、この映画、懐かしさを呼び起こす、いい映画でした。
中学生くらいの年代では、誰もが興味がある性への旺盛な好奇心と大人の女性へのあこがれ(笑)。
そんなほろ苦い想いを、代弁しているのがこの映画でした。
ストーリー:
15歳の夏、ハーミー(ゲーリー・グライムス)は、ニューイングランドの沖合いに浮かぶ美しい島に
きていた。1942年の夏、第二次大戦の戦火を逃れるためだった。彼は、友達のオシー(ジェリー・
ハウザー)とベンジー(オリヴァー・コナント)の3人で、退屈な日々を終日海辺で暮らしていた。
ある日、小高くなった丘にポツンと建った家の前で、新婚の若い夫婦が楽しげに語らっているのを、
遠くから眺めていた。2人が家の中へ入っていくのを見て、少年らしい想像力をめぐらせたオシーと
ベンジーは、照れ隠しのふざけあいに興じた。しかし、ハーミーの目には、その美しい新妻の横顔が
鮮明に焼きついて離れず、ただ呆然と小さな家を眺めていた。
翌日、桟橋でボートに跳び乗ったハーミーの目に、昨日の美しい女の姿が映った。彼女は、戦場に
向かう夫を見送りに来ていたのだ。ハーミーはただただ目を奪われていた。数日後、沢山の買い物を
抱えきれずに困っている夫人の姿を見たハーミーは、勇気をふるって夫人に近づいた。
彼女の名前はドロシー(ジェニファー・オニール)といい、ハーミーは、
彼女の美しさ、優しさに心をときめかすばかりで、彼女の質問にもトンマな返事をしては、
後悔していた。 そうこうしている内に、ドロシーに招かれた日の夜、ハーミーは盛装して
ドロシーの家を訪れた。
ノックの音に答えはなく、彼はドアを押しあけて中へ入った。蓄音機には曲の終わったレコード
がくるくる回り、タバコの紫煙が立ちのぼり、そしてテーブルの上に1枚の電報が置かれていた。
ドロシーの夫の戦死を知らせる電文だった。じっと立ちつくしたハーミーの前に、泣きはらした顔の
ドロシーが現われ、蓄音機の針を落とし、流れ出る曲に合わせて、ハーミーを躍りに誘い込んだ。
ハーミーはただ黙って誘われるままに踊った。ドロシーはハーミーの胸に顔を埋め、とめどない涙を
頬に伝わらせた。躍りながらベッドに誘うドロシーの悲しみを、ハーミーには理解することが
できなかった。ドロシーのベッドで朝を迎えたハーミーは、黙って身仕度を整えて去っていった。
夕方、もう一度ドロシーの家を訪れたハーミーは、彼に宛てた一通の手紙を発見した。
「昨夜のことは、あなたがおとなになった時、きっと理解してくれると思います。私は実家に
帰ります・・・」。翌日、ハーミーは、遠くから、今は主のいなくなった丘の上の家をじっと
見つめていた・・・(ほとんど、HPより抜粋)
音楽が、切なさをあらわして、いい曲です。