「華麗なる賭け」より”風のささやき”(ミッシェル・ルグラン)
スティーブ・マックィーン全盛の1960年代後半の「華麗なる賭け」(1968)は、公開後2番館の劇場で2回、TVでも見ているが、完全犯罪が成功した数少ない映画だった。
1970年代当時は、映画はロードショー公開されて、半年もすると、2本立ての名画座などの”二番館”で、ロードショー映画が上映されていて、学生の身分としては、むしろ2本立てをみることが多かった。
だいたいが2本見て300円前後、「全線座」(渋谷)は、2本で150円だった。当時「学食」のカレーライスが50円~60円だった。財布に200~300円でもあれば、渋谷経由の通学定期があったので、交通費はかからず、学校(大学)の帰りに”映画館”に途中下車することが多かった(笑)。
親は、”映画ばっかりみて!”と全く映画を見ない環境ながら、アルバイトで、映画代は十分に賄えた。「エルビス・オン・ステージ」(1970)に、母親など家族を連れて有楽町の丸の内ピカデリーに行ったら、エルビスの熱唱を見た母親のほうが大感激して、エルビスのすばらしさを近所の人に宣伝していたのも懐かしい。
最近も団塊の世代の人と話していたら、「文芸座」(池袋)にはよく見に行ったという話を聞いて、話が合った(笑)。1950年代後半から1980年代にかけて、文芸座は、洋画が「文芸座」、邦画が「文芸地下」としてあったが、その後1990年代前半にレンタルビデオ店の経営に乗り出して映画館は閉館。2000年の暮れに「新文芸座」として再スタートを切った。
「華麗なる賭け」の自家用グライダーが旋回するシーンで流れるのがテーマ曲 ”風のささやき”で、これが絶妙の曲だった。
お気に入りは、順不同で・・・。
「華麗なる賭け」
「おもいでの夏」
「栄光のル・マン」
「大反撃」
・・・などである。
ミュージカルからアクション、戦争モノ、ヒューマンドラマまで幅広い映画のスコアを残しているのに改めて驚く。
映画音楽のすばらしさは、映画そのものに匹敵するほどの力があるということだろう。
作曲した主な映画音楽:
「女は女である」 Une femme est une femme (1961) ☆☆☆
「5時から7時までのクレオ」 Cléo de 5 à 7 (1961)
「エヴァの匂い」 Eva (1962)
「女と男のいる舗道」 Vivre sa vie: Film en douze tableaux (1962)
「シェルブールの雨傘」 Les Parapluies de Cherbourg (1963) ☆☆☆
「はなればなれに」 Bande à part (1964)
「ポリー・マグーお前は誰だ」 Qui êtes-vous, Polly Maggoo? (1966)
「タヒチの男」 Tendre voyou (1966)
「ロシュフォールの恋人たち」 Les Demoiselles de Rochefort (1967)☆☆☆☆
「愛すべき女・女(め・め)たち」 Le Plus vieux métier du monde (1967)★★
「華麗なる賭け」 The Thomas Crown Affair (1968) ☆☆☆☆
「太陽が知っている」 La piscine (1969) ★★
「大反撃」 Castle Keep (1969) ☆☆☆
「嵐が丘」 Wuthering Heights (1970) ☆☆☆
「恋」 The Go-Between (1971) ☆☆☆
「おもいでの夏」 Summer of '42 (1971) ☆☆☆☆
「栄光のル・マン」 Le Mans (1971) ☆☆☆☆
「ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実」 Lady Sings the Blues (1972) ☆☆☆
「三銃士」 The Three Musketeers (1973) ★★
「オーソン・ウェルズの フェイク」 Vérités et mensonges (1974)
「うず潮」 Le Sauvage (1975)
「アトランティック・シティ」 Atlantic City (1980) ☆☆☆
「愛と哀しみのボレロ」 Les Uns et les autres (1981) ☆☆☆
「結婚しない族」 Best Friends (1982)
「ネバーセイ・ネバーアゲイン」 Never Say Never Again (1983) ★★
「愛のイエントル」 Yentl (1983)
「想い出のマルセイユ」 Trois places pour le 26 (1988)
「ガスパール/君と過ごした季節」 Gaspard et Robinson (1990)
「プレタポルテ」 Prêt-à-Porter (1994) ☆☆☆
「レ・ミゼラブル」 Les Misérables (1995)
「リュミエールの子供たち」 Les Enfants de Lumière (1995)
「ブッシュ・ド・ノエル」 La Bûche (1999)
「DISCO ディスコ」 Disco (2008)
「100歳の少年と12通の手紙」 Oscar et la dame rose (2009)
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