映画「ラ・ラ・ランド」は劇場公開初日に見て(1回目)、その後、DVDレンタルで、あえて日本語吹替版で見て(2回目)、今回、ブルーレイディスク(BD)で見た(3回目)。
監督のデミアン・チャゼルの映画についての勉強ぶりはすごいというのは、映画評論家の町山智浩が動画などで語っているが「ラ・ラ・ランド」の下敷きになっているのはフランス・ミュージカルの「シェルブールの雨傘」(1964)。
「シェルブールの雨傘」の色使い、カラー・コーディネーションがすごいが「ラ・ラ・ランド」でも、衣装とシーンのコーディネーションが素晴らしい。チャゼル自身は史上最年少となる32歳でアカデミー賞監督賞を受賞した。
チャゼルはハーバード大学のクラスメートだったジャスティン・ハーウィッツと共に卒業論文の一部として、ミュージカル映画「Guy and Madeline on a Park Bench」を製作し、映画監督、脚本家としてデビュー。作品は2009年にトライベッカ映画祭などで上映された。ヌーベルバーグの再来とも言われたらしい。
このデビュー作のタイトルのGuyとMadelineというのは「シェルブールの雨傘」に登場する男と女の名前(フランス語ではマドレーヌ)。1960年代のフランス・ミュージカルは、アメリカのMGMミュージカルに憧れた人たちが作ったもので「ロシュフォールの恋人たち」(1967)では「ウエストサイド物語」のジョージ・チャキリスまで呼んで出演させている。
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「ラ・ラ・ランド」のラストは「IFストーリー」(現実とは異なるもしもの世界)が描かれていて、セブ(ライアン・コズリング)とミア(エマ・ストーン)は、別れて別々の人生を歩むことになるが、5年後には、セブは、夢だったジャズの自分の店を開業し、ミアは、ウエイトレスからいまや有名女優になったので、それぞれの夢が叶ったというエンディング。
【ミアの場合】
かつては、このコーヒーショップのウエイトレスだったミア。
【セブの場合】
このアイコンタクトだけで十分に伝わる。
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【IFの世界】
現実にはミアは、別の男(ダンナ)とジャズを聴きに来ている。
パリの風景(背景)はカラフルでファンタジック。
※「ブルーレイ(BD)」で見る。