↑上:テレビ版のロバート・スタックのネス
下:映画版アンタッチャブルの面々
「アンタッチャブル」といえば、古い世代の人間(私も含めて)にとっては、
テレビ・シリーズ(ロバート・スタックのエリオットネス)が
こびりついている。吹き替えの日下武史がはまり役だった。”あの声”。
これが映画化されたとあって、真っ先に劇場に足を運んだ。
監督が、「殺しのドレス」などのサスペンス映画で、ヒッチコックの後継者といわれた
ブライアン・デ・パルマとくれば、期待は膨らむのも当然。
映画版「アンタッチャブル」(1987)は、良くできていた。期待をクリアした。
この映画で、ケヴィン・コスナーが本格デビューした。
登場ぶりが、びしっとスーツで決まっていた。
スーツ、拳銃、身の回りの品をカメラがとらえ、身支度のシーンがあり、
いよいよエリオット・ネス本人のアップとなるカメラがすばらしかった。
これは、かっこいい登場の仕方だった。”スター誕生”の瞬間だったような気がした。脇役陣が、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア、なんと頭を剃りあげて
アル・カポネに扮したロバート・デ・ニーロと豪華。
ショーン・コネリーは、脇に回って、主演の若手を引き立てる役割
(「インディ・ジョーンズ」のハリソン・フォードと共演、など)で、渋い
重厚さが目立った(アカデミー賞助演男優賞受賞)。案外、若い頃の「007シリーズ」よりも、年輪を
重ねてからのほうが、味があっていいとも言える。
良く「007」のイメージを払拭して、円熟味のある演技派に脱皮できたと思う。
(内容)
禁酒法時代の1930年代シカゴが舞台。マフィアのボスである巨悪アル・カポネ(ロバート・デ・
ニーロ)に挑む、若きエリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)率いるアンタッチャブルズの
活躍を描くアクション・ドラマ。同名の名作テレビ・ドラマのリメイクでもある。
実際のアンタッチャブルズは、10人いて、全てネスの息が掛かった財務省の役人ばかりだった。
これは警官だとマフィアに買収される可能性があったからだという。また、史実では、メンバー全員
が生き残っている。それに比べるとこの映画版は、メンバーが4人と小規模で、映画全体もスケール
感にやや乏しいのが難といわれた。
最大の見せ場の一つは、あの、駅の階段と乳母車を使ったアクション。名作「戦艦ポチョムキン」の「オデッサの階段」を引用した場面。これは、粘りに粘ったデ・パルマ演出の真骨頂。
緊張とカタルシス満点の名場面となった。予定になかったシーンといわれ、列車を使った
大アクションになる予定が、予算の関係で、デ・パルマのアイディアで階段を使ったアクションに
変更されたという。”ケガの功名”。映画史に残るアクション場面になった。
エンニオ・モリコーネの勇壮な音楽も印象に残る。パルマ監督の代表作の1本となった。
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