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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ことの終わり」(1999)あのグレアム・グリーン(「第三の男」)が原作。

原作がグレアム・グリーンの「情事の終わり」
(「第三の男」「落ちた偶像」)であることと
ポスターのなんとなくロマンチックというより
刺激的匂いムンムンに引かれてみました(笑)。
映画では「ことの終わり」にタイトルを変えています。

ジュリアン・ムーアの演技につきる、官能的・
大人の映画と言うことなのでしょう(笑)。

ジュリアン・ムーア主演で、劇場で以下の作品を見ました。
○「シッピング・ニュース
○「エデンより彼方に」(50年代のアメリカの上・中流夫人
   の役柄で、上品さが出ていました。人種差別の中で、
   気持ちが傾いていく様を好演)
○「めぐりあう時間たち
○「フォアゴットン」
 これらを続けて見ていたので、そのあたりも興味を引き、
珍しくDVDを購入したのでした。

2000年度英国・米国作品
○ゴールデングロ-ブ主要4部門(作品・監督・主演女優・音楽)ノミネート!
アカデミー賞2部門(主演女優・撮影)ノミネート!
アカデミー賞10部門(作品・監督・脚色・主演女優・主演男優・
音楽・撮影・美術・衣装・メイクアップ)ノミネート、内受賞脚色賞!

 「シンドラーのリスト」で強烈な印象を残してくれたレイフ・ファインズ(「ナイロビの蜂」)が主演。最近、とくに注目株ですね。

 ジュリアン・ムーアは、監督に自ら手紙を書いて、オーディションを受けて
見事にこのサラ役を射止めたというから、ムーアの意気込みは最初から違っていたのでした。
 40代中ば(当時)かと思われるジュリアン・ムーアは、演技派女優としては、現在のトップクラスでしょう。チャレンジ精神に溢れているようです。
 内容は、不倫小説ということになりますが、何がこれほどまでに
ムーアを惹きつけたのか、映画は大人のための男と女の物語。

確かに、ムーアの体当たり演技(大胆)は、すごいのひと言。
DVDのインタビューで語っていましたが、ベッドシーンなどは、
「恥ずかしいとかというのは、一切無く、信頼関係にあるスタッフ、
俳優と、一緒に作品を作り出すことに集中する」と語っていました。
演技にかける情念というのが、すごいです。

 日本では、昨年公開の「透光の樹」の秋吉久美子(50歳というのに若い!)並みに、それこそ一糸まとわぬシーンで、体当たりを見せていました。共通する役者根性を感じました。

映画の中では、あの「逢びき」のように、ある場面があり、またその場面が繰り返し出てくる、というテクニックを駆使しています。

同じ場面でも、わかってからと、そうでないのでは、感じ方が異なるという、典型ですね。味わい深い映画ではあります。

以下は、新聞などの、当時の論評の一部です。」

●英国文学をブリリアントに映画化!
エロティックで、ラブ・ストーリー、ミステリー、
精神性でまさに最大の偉業を達成。キャロル・リード
「落ちた偶像」「第三の男」以来の最良のグリーン
作品の映画化!【デイリーバラエティ誌】

●「第三の男」以来の最良で最高に気品に満ちた
グリーン文学の映画化。秘密が物語のひねりを効かせる、
知的で悩ましいラブ・ストーリー。【NYタイムス紙】

●大人向けのデート・ムービー。
イングリッシュ・ペイシェント」以来の感激。【ガネット・ニューズ・サービス】

●美しく昇りつめる、文学的で洗練された感動。
ファインズとムーアの情熱的演技。挑発的な映像美。【LAタイムス】

●ロマンチックで魂を揺さ振る何かを創出。
【ローリング・ストーン誌ピーター・トラバース氏】

●原作よりも、もっと切実。ムーアの官能的で精神的な美しさ
とあふれる情感と哀切さに圧倒される。見終わったあと深い感動
の余りしばらく席が立てなかった。【瀬戸内寂聴さん】