たまには、硬い話。
(いつも、硬いって?。まあまあ。)
村上春樹の「ノルウエーの森」をかつて読んで、
感動したきり、その後あまり読んでいなかったので、
急に読みたくなってきました。
たまたま、出張先の台北の宿泊ホテルで
NHK BS番組を見ていました。
テーマは、村上春樹文学。
フォーラム番組で、村上春樹の翻訳家
が各国から数人パネリストとして参加。
自分と、村上との出会い、翻訳の
苦労店などを語っていました。
参加者は、アメリカ、フランス、ロシア、
韓国、台湾の翻訳家。
共通して、翻訳家が語っていたのは、
日本の現代文学において、村上作品が
それぞれの国で、ベストセラーの
地位を確立していること。文体は、
言葉で表現できないことを
イメージのように表現していること
などがすばらしいということでした。
フランスの翻訳家の話;
フランスでは、日本に対して偏見が
ないとはいえないと前置きした後、
その翻訳家は、作者が日本人名で
なかったら、さらにベストセラーに
なっていたと発言。ある村上の翻訳本が、
48,000冊売れたと書店から連絡が
あったとき、一桁多いのでは
(4,800冊の間違いでは?)と
思わず聞き返したが、事実であった
エピソードを紹介していた。
ロシア語の翻訳家;
完璧な日本語を話すのにまず驚きました。
絵を描いて説明。村上作品は、ビジュアル、
音、文章の三つがまわりにあって、
その中心に「心」があると分析。心を
どのように訳すか、村上氏本人にも
インタビューしたことがあるとか。
マインドでもないし、ハートでも
ないしと、結局最高の言葉は、
「訳さないこと」(笑い)だと。
韓国の翻訳家;
韓国では、ビートルズなど自然に
受け止めてきた。日本のものは、
歴史的に国と国との関係もあり、
外国のものとして位置づけ、
区別されてきた。
しかし、村上作品は、若い世代などには、
例外的に、普遍的テーマということで、
大きな支持を得ており、ベストセラーに
なっている。文化交流を促進している。
台湾の翻訳家;
台湾だけでなく、中華圏では、香港、中国
を含めて、10人程度の、村上作品の
翻訳者が存在しているという。
台湾の翻訳家は、村上作品の特徴は、
壁(ボーダー)を壊すことがベースにあるという。
内と外、内面と外面などなど。
苦労では、固有名詞のカタカナなどを
どの漢字に当てはめるか、など
漢字の国独特の苦労があるようです。
アメリカの翻訳者;
村上に出会う前は、芥川、漱石など
明治時代の作家を中心に翻訳してきたが、
現代文学について、今の日本では
「どんなろくでもないのを読んでいるのだろう」
という好奇心から、村上作品を
読み始めたとのこと。読んでびっくり。
15年前に初めて読んでから、今日まで
仕事のほとんどが村上に変わってしまった
とユーモアを交えて説明していた。
そういえば、最近本を読まなくなって
きたこと。今読んでいる「ダ・ヴィンチ・
コード」もやっと文庫の「上」が終わる
ところ。何日かかるんだと、
自分にぶつぶついいながら、
この文を閉めます。
「さあ、本を読むぞ!」
ってんだ。(なぜか、一人
いきがっている。笑)。