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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

★佐野市内のシネコンの壁画は「往年の映画スター」(あまり似ていないが。笑)。

3月に続いて、きょうも所用で栃木県佐野市に出かけた。
蓮田SA(サービスエリア)に休憩で寄ったら、前回は見落としたが「芭蕉句碑」があった。
 
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「行く春や鳥啼き魚の目は涙」 (いくはるや とりなき うおのめはなみだ)。
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春が去ろうとしている。そして我々も旅立とうとしている。その心細さに、鳥の鳴声が泣いている様に聞こえ、魚の目には涙が浮かんでいる様に思えるよ。
    
この句を旅の最初の句として、旅の第一歩を踏み出したがなかなか思うように足が進まない。人々は道の途中に立ち並んで、後姿が消えるまでといつまでも別れを惜しんで見送ってくれるのである。
 
松尾芭蕉は、1689年3月27日(新暦5月16日)千住から奥の細道への長い旅路が始まった。弥生(3月)も末の27日、あけぼのの空はおぼろに霞み有明の月(明け方の月)で光が薄らいでいるとは言え、富士山が霞んで見え、上野や谷中には桜の梢が見える。それらを又いつ帰って見られるのか…、心細く思える。親しい者たちは前の晩から集まって、今朝はともに舟に乗り見送ってくれる。
  
千住と言うところで船を下りると、ここから先3000里も有るかと思うとその思いで胸がいっぱいになり、どうせこの世は夢幻のように儚い世界だとしても、そうは分っていても旅立ちにあたっては別れの涙を流すのである。
 
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         ピクニック気分でランチを食べるのに最適。
 
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佐野市内で、ランチは、前回は「佐野ラーメン」だったが、今回は映画「翔んで埼玉」にも登場する「山田うどん」(本店:所沢市)でカツカレーをテイクアウトした。
 
写真を撮り忘れたのでメニューから。
fpdが注文したカツカレーは、ご飯の上にカツカレーが乗っていて、カレーのルーは別だった。これも美味しかった。うどんが専門の店だが、持ち帰りはどんぶりものだけということで、他には生姜焼き、カツ丼などがある。
 
ガソリンスタンド「ENEOS」で給油した場所に、娯楽複合施設があった。
 
 シネコンの壁画に往年の映画スターのイラスト写真があった。オードリー・ヘプバーンなどだが、正直なところあまり似ていないのはご愛嬌。ヘプバーンの隣はグレゴリー・ペックのつもりか。
 
 
映画ファンにはうれしい娯楽の殿堂のようなところかもしれない。
明日も、また佐野市に出かけるので、名物の「佐野ラーメン」を買ってこよう♪
 
 

 

映画「友だちのうちはどこ?」(1987、イラン)”埋もれた名作”

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友だちのうちはどこ?1987、イラン)を見た。
日本での劇場公開は1993年10月23日。その年のキネマ旬報ベスト・テンで8位にランクインした。
 
友だちのノートを間違って家に持ち帰ってしまった少年が、ノートを返すため友だちの家を探し歩く姿を描いた、子供についての映画。
 
脚本、編集、監督は アッバス・キアロスタミ。1987年のテヘラン映画祭で最優秀監督賞などを授賞。監督の名はイラン国内で不動のものとなり、1989年のロカルノ国際映画祭で五つの賞を総なめにし、イラン映画の水準の高さを世界に示した。
 
”埋もれた名作”の1本といえるかも知れない。

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舞台は イラン北部のコケールという村。
子供たちが賑やかに騒いでいる声が古びたドアの中から聞こえてくる。
そこは小学校のあるクラスだった。先生が5分遅れて入ってくるが、先生は生徒たちの騒ぎに「先生が遅れてきたら、その間に勉強しろ」と喝を入れる。
 
一人の生徒、モハマッド・レダ・ネマツァデ(アハマッド・アハマッドプールが先生(ホダバフシュ・デファイからひどく叱責されている。宿題をノートではない紙に書いてきたからだ。
 
「何回注意された?」と聞く先生にネマツァデは、か細い声で「3回」とつぶやく。机に頭を埋めて泣くネマツァデ
 
先生は「同じことをもう一度やったら退学だ」と厳しく言う
学校が終わり、ネマツァデの隣に座っていたアハマッド(ババク・アハマッドプール)が家に帰って宿題をやろうとすると、モハマッドのノートを持って帰ってきてしまったのだ。これではモハマッドは退学になってしまう。
 
返しに行こうとすると母さん(イラン・オリタ)が「宿題をやってからじゃないと遊びに行ってはいけないよ」と言う。
 
アハマッドは「ノートを届けないと、ネマツァデは退学になってしまう」と何度も訴えるが、話を聞かず、「宿題が先だ。その後買い物に行ってもらう」というばかりだ。
 
アハマッド宿題をする気にならずに、隙を見て、ネマツァデのノートを携えて、家を出る。隣村のポシュテにモハマッドは住んでいると聞いている
 
山あり谷ありの道を越えてポシュテには着いたが、モハマッド・レダ・ネマツァデの家がどこにあるかを知らない。ようやくネマツァデのいとこの家がわかったが、そこで尋ねると、ネマツァデはコケール村に行ったという。アハマッドは、また自分の住むコケール村に急いで戻るのだが・・・
映画の舞台になっているのはカスピ海近辺にあるコケールとポシュテの隣り合った村。職業俳優を使わずに撮影をした。子供たちが純朴で、自然の演技がみどころ
 
本作に始まるコケールを舞台にしたそして人生はつづく(1992)オリーブの林をぬけて(1994)の3作を「コケール・トリロジー英語版)」と呼ぶ。主演した職業俳優ではない子役ババク・アハマッドプールオリーブの林をぬけてにも出演
 
主役の子役であるアハマッド(ババク・アハマッドプールは、クラスメイトの退学の危機を救うために、自分の住むコケールから友だちの家を探し歩くのだが、隣村のポシュテに行くと、そこにはいくつか区があって、住人の誰に聞いても知らないという返事。果たして、アハマッドは無事にノートを届けることが出来るのか・・・?
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30年以上前の映画だが、イランの貧しい田舎の風景や、生活ぶりが垣間見える。洗濯といえば、日本の戦後と同じようにたらい桶でゴシゴシ。牛が歩いていたり、鶏や猫の鳴き声が聞こえ、時には暴風雨にさらされて、ドアもガタガタと壊れる始末。木のドアに変えて鉄のドアを買わないかという大工や、リンゴ売りのおばあさんなどもいる。
 
主人公アハマッドのおじいさんも、アハマッドに対しては、厳しいしつけを試みている。おじいさん自身が、子供の頃に親からは「小遣いは週に1度だけで、父親に殴られるのは、週に3回」と近所の仲間に語るのだ。「厳しくされたおかげで、礼儀正しくなった」と。
 
学校でも家でも、同じことを1回、2回までは言ってその通りにしなかったとしても、3回になると許さない、というのがあるようだ。
 
教室では、毎日宿題があって、ノートへの書き込みを毎日、先生が見てチェックする。宿題をやってこなかった場合は、厳しく問い詰められる。アハマッドは結局、ノートを前日のうちにネマツァデに届けることはできなかった。
 
当日朝、アハマッドは教室に来るのが遅れたが、先生はまだネマツァデのノートのチェックの前だった。アハマッドは、ネマツァデに「宿題は済ませておいたよ」と言ってノートを渡した。
 
先生が、アハマッドのノート、続いてネマツァデのノートを見て「よく出来ました」のサインをするのだった。

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アハマッドが野山を全速力で走るが、現地に着いてみると、5分前に出かけたところだ、などで何度も何度も走る。走る。まるで、バスター・キートンのように。
 

 8歳前後の子供たちが、純朴で生き生きしている。戦後まもない頃の「二十四の瞳」の子供たちにダブって見えた(笑)。
 

映画「COLD WAR あの歌、2つの心」(2018)ポーランド映画。6月28日公開。

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ポーランド映画で初めてアカデミー賞外国語映画賞に輝いたパヴェウ・パヴリコフスキ監督の最新作「COLD WAR あの歌、2つの心」(2018)は、冷戦下の1950年代が舞台。時代に翻弄される恋人たちの姿を、美しいモノクロ映像と名歌で描き出したラブストーリー。
 
先日発表された第91回アカデミー賞では監督賞と撮影賞、外国語映画賞の3部門にノミネートされている。6月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかで公開。
再生不可の場合はこちらhttps://youtu.be/22AhQSjIIR4
 
■モノクロというのがいい。
恋人たちの時代に翻弄され国境をまたいで愛を紡いでいく姿を、美しいモノクロ映像で映し出していく。映像もさることながら、ズーラ役のヨアンナ・クーリグの美しい歌声と、民謡音楽からフレンチジャズ、エルビス・プレスリーに至るまで様々な名曲がさらに物語に彩りを添えているようだ。
 
■音楽がいい。劇中流れる音楽「ロック・アラウンド・ザ・クロック」といえば「アメリカン・グラフィティ」(1973)でもおなじみだが「暴力教室」(1955)が印象に残る。
 
ズーラ役のヨアンナ・クリーグは「イリュージョン」(2011)に続いて2回目のパヴェウ・パヴリコフスキ作品となる。ピアニストのヴィクトル役はトマシュ・コット。2015年にポーランドアカデミー賞“オルウィ”(Orły)では、「Bogowie」(原題)で最優秀男優賞を受賞している実力派の俳優。また、パヴェウ・パヴリコフスキ監督の「イーダ」で主人公イーダのおば役を務めたアガタ・クレシャも出演している。
 
 
 
 
 

映画「女と男の観覧車」(2017)ウディ・アレン監督作品。ケイト・ウインスレット主演。

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女と男の観覧車」(原題:Wonder Wheel、2017)を見た。劇場公開は2018年5月。ウディ・アレン監督による長編49作目の作品。製作はアマゾンのテレビ番組や映画の制作・配信を中心とする部門であるアマゾン・スタジオ。

 
ウディ・アレンといえば、これまでに様々なハリウッドを代表する女優を主役に映画を撮ってきたが、今回は「タイタニック」「愛を読むひと」などで有名なオスカー女優、ケイト・ウィンスレットを抜てき。いつもどおり悲観的で、皮肉に満ちたドロドロの愛憎劇の作品となった。ケイト・ウィンスレットは、ウディ作品初出演だが、イライラ感を発揮するアラフォー女性で名演を見せている。
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1950年代のニューヨーク市ブルックリン区のコニーアイランド。元女優のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、今ではコニーアイランドの遊園地にあるレストランでウェイトレスとして働く日々。
 
回転木馬の操縦係を務める夫ハンプティ(ジム・ベルーシ)とは再婚同士で、自身の連れ子リッキー(ジャック・ゴア)と観覧車の見える部屋で暮らしている。だが、ジニーは夫に隠れて、海岸で監視員のアルバイトをするミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)と不倫をしていた。
 
 
平凡な毎日に失望していたジニーは、脚本家を目指すミッキーとの未来に夢を見ていたのだ。ジニーはミッキーに2つ告白することがあるという。一つは、35歳と言っていたが、実は39歳であること。すぐに誕生日が来て40歳。もう一つは結婚していて夫がいて、連れ子もいるというのだった。これを聞いたミッキーは、全く驚くふうでもなく「それが家庭崩壊につながる?」とこれまでにも人妻と付き合ってきたとほのめかす。
 
そんなある日、ギャングと駆け落ちして音信不通になっていたハンプティの娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)がジニーの前に現れる。
 
 
キャロライナがなんと、ミッキーと親しくなってきたことを知るジニーの苛立ちは最高潮に達し、その日から嫉妬心が充満し、ジニーの歯車が狂い始めていくのだった・・・。
 
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登場人物がみななにか問題を抱えている、といったところが面白い。
観覧車を登場人物に人生にたとえているのかもしれない。
不倫で一度結婚に失敗したのにまた不倫に走るジニー。ミッキーもしかり。女性が目の前に現れると、目移りして、相手を取っ替え引っ替え。
ジニーの子供リッキーは、不登校で、小遣いをもらって映画館通い。悪い癖は、ところかまわず放火をすること。結局、全ての人間が観覧車のように、前に進むこともなく元の場所に戻ってしまうのだ。
 
 
1950年代の風景のカラフルな再現が興味深かった。
ケイト・ウインスレットが長回しのシーンで、一人芝居でセリフを続けるシーンは名女優といえるほどで「欲望という名の電車」のヴィヴィアン・リーのようでもあったというのは考え過ぎか。
 
現在83歳のウディ・アレン監督も、クリント・イーストウッドと並んで高齢だが、エネルギッシュに作品を撮り続けてくれそうだ。

映画「ゲティ家の身代金」(2018)

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巨匠リドリー・スコットがメガホンをとり、アメリカで実際に起きた誘拐事件を描いた「ゲティ家の身代金(原題:All the Money in the World2018)を見た。邦題は原作(日本語訳)通りで「オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド」にならなくてよかった。劇場公開は2018年5月。
 
映画の題材は、1973年に石油で財を成した大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫ポールが誘拐され、日本でも大きく報じられた事件。
 
ゲティは、50億ドルの資産を持ちながら身代金1700万ドルの支払いを拒否。
ポールの母ゲイルは、息子のためゲティと対立しながら誘拐犯と対峙することになり、やがて事件は思いがけない方向へと進んでいく。
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1973年7月のローマ。犯罪者たちの用意周到な計画に基づいてジョン・ポール・ゲティ3世が誘拐されるという事件が発生した。
 
犯人たちは、当時フォーチュン誌によって”世界一の大富豪”に認定されたゲティオイル社社長の石油王のジャン・ポール・ゲティクリストファー・プラマーに孫の身代金1,700万ドルを要求したが、彼は支払いを断固拒否する。
 
 
表向きは「もしここで身代金を支払ったら、他の14人の孫たちも金目当てに誘拐されるかもしれん」という理由ではあったが、総資産50億ドルとも言われるゲティは極端な守銭奴=けちとしても知られていた。その裏で元CIAの交渉人チェイスを呼び寄せ、孫の奪還作戦を指示する。
 
余裕飄々としているゲティとは対照的に、3世の母親であるアビゲイル(ゲイル)ミシェル・ウイリアムは息子が殺されるかもしれないと怯えていた。
 
 
ジョン・ポール・ゲティ2世との離婚で既にゲティ家を離れていたゲイルには身代金の支払いは不可能であった。一方で警察やチェイスはゲティ3世もしくはゲイルによる狂言誘拐を疑い始める。ゲイルの一挙手一投足を報道しようとマスコミが付きまとい、事件は世界中を巻き込んで加熱していく中、ゲティ3世の切り取られた耳が新聞社に送り付けられるという事態が発生する。 
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この映画はケビン・スペイシーの降板でも知られる。
完成間際の2017年11月、当初ゲティ役だったケビン・スペイシーがスキャンダルによって降板することになり、急きょクリストファー・プラマーが同役に起用され、第90回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。88歳で演技部門でのノミネート最高齢記録を更新した。スペイシー降板による撮り直しにかかった費用は10億円という。
 
 
それにしても、犯人グループは、当然身代金を払うと見ていたが拒絶されたことで、誘拐人物の片方の耳を切り取って、送りつけるという手段に出る。も支払わなけでば、次は足を切断すると脅かしてくるのだ。
 
ローマ帝国の宮殿のような建物を別荘に建設しようとするほどお金のある大金持ちのゲティは、果たして身代金を支払うことになるのか・・・?
 
誘拐された息子を救うために、戦う母親は、息子のためにイチかバチかの賭けに出るのだが、息子と再び会うことができるのか・・・?。
 
“世界中のすべての金を手にした”と言われた世界一の大富豪、石油王ゲティのケチぶりは驚きだ。金持ちほどお金に細かいというが。結局、身代金を払うということになるが、当人(孫)に”貸し付ける”ということにするのだ!
 
映画では、過去の時代などがさまざま交互に描かれ見ている側がやや混乱する。いかにして石油王の地位を築いたかを説明するものだからだが、1973年ローマ、1971年モロッコ、1948年サウジアラビア、1964年サンフランシスコ・・・。
 
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サウンド・オブ・ミュージック」で”トラップ大佐”を演じたクリストファー・プラマーは今年90歳で現役というのもすごい。ミシェル・ウイリアムは「ブロークバック・マウンテン」(2005)「彼が二度愛したS」(原題: Deception, 2008)などで有名になり、その後も「マリリン 7日間の恋」(2011)「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(2017)「グレイテスト・ショーマン」(2018)など今や実力派人気女優の一人。まだ38歳というのも驚き。
 
映画は暗く、残酷なシーンもあり、後味もあまりよくないので割引。
 
 
 

映画「オーシャンズ8」(2018)

 

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オーシャンズ8」(原題:Oceans Eight, 2018)を見た。

昨年の夏に劇場公開されたが、興行収入は約17億円とそこそこ。

ダニー・オーシャンジョージ・クルーニー、写真のみ出演)の妹、デビーサンドラ・ブロックは5年8ヶ月の服役の末に刑務所から出所。
 
出所時の面接にて「二度と犯罪はしない。普通の生活を送りたい」と語ったデビーだが、出所後次々と服飾品を盗み出してゆく。
 
デビーは刑務所にいた5年8ヶ月と12日の間に、ニューヨーク市メトロポリタン美術館でのファッションの祭典、メットガラで高級な宝石を一挙に盗み出すという壮大な計画を立てていた。何百回もシミュレーションしたというこの計画を実行に移すべく、デビーは次々と仲間を集めていくが、真の目的は単に宝石を盗み出すことだけではなかった
 
 女性ばかり7人+1人で1億5,000万ドルの宝石を大胆な方法で盗む犯罪映画。
サンドラ・ブロックがグループのリーダー格で主役だが、共演のケイト・ブランシェット、アン・ハサウエイ、ヘレナ・ボナム=カーターなど主役級の女優が共演。
 
なかでも、ケイト・ブランシェットが、クールビューティで低音ボイスで、バイクを乗り回し、かっこいい。「オーシャンズ11」シリーズのリブート作品で時系列では「13」に続く。
 
出所したデビー(サンドラ・ブロック)が、”悪知恵”で化粧品をタダで手に入れる手口や、ホテルにタダで宿泊してしまう手口などから物語が始まるところでは期待させるが、全体的には新味がなく、華やかなだけの宝石泥棒映画になっている。
 
仲間を集めていくプロセスは”七人の侍”並みだが、集められるのは、その道の”プロ”だが、いずれも境遇はイマイチ冴えない状態。コンピューター・ハッカーナインボールリアーナ)や、スリ師のコンスタンス(オークワフィナ)、盗品ディーラーのタミー (サラ・ポールソン)、ファッションデザイナーのローズ(ヘレナ・ボナム=カーター)、宝飾デザイナーのアミータ(ミディ・カリング)といった面々だ。
 
盗みの手口は「M:i」か、レーザーをかいくぐるシーンは「エントラップメント」のよう。
 
登場人物:
デビー・オーシャン - サンドラ・ブロック
ルー・ミラー - ケイト・ブランシェット
ダフネ・クルーガー - アン・ハサウェイ
アミータ - ミンディ・カリング
コンスタンス - オークワフィナ
ナインボール - リアーナ
ローズ・ワイル - ヘレナ・ボナム=カーター
クロード・ベッカー - リチャード・アーミティッジ
ジョン・フレイジャー - ジェームズ・コーデン
ペネロペ・スターン - ダコタ・ファニング
ルーベン・ティシュコフ - エリオット・グールド
イエン - シャオボー・チン
ローレンス - リチャード・ロビショー
ユーリ - ジェームズ・ビベリー
イーディ - イーディ・キーナン
ヴェロニカ - ナターニャ・アレクサンダー
カイル - ギデオン・グリック
ギレルモ - ミグス・ゴベア
エイプリル - ミドリ・フランシス
レネ - マーロ・トーマス

第33回高崎映画祭授賞式が盛り上がる。

第33回高崎映画祭」授賞式に参加した。ローカルの映画祭としては「ヨコハマ映画祭」と並んで、かなり重要な映画祭のイベントとなっている。会場に行ってみて、映画ファンが多いことに改めて驚いた。

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群馬県高崎といえば「ダルマ」が有名。その他では全国に先駆けて交響楽団が結成され、音楽の街としても知られ、近年では映画の街として知られている。
 
年間60本の映画が高崎市内で撮影されているという。
エキストラ200人といえばすぐにでもボランティア・エキストラが集まるという。
 
高崎映画祭(3月23日~4月7日)までの間に60本の映画が上映される。 
第33回高崎映画祭の授賞式は24日、群馬県高崎市高松町の群馬音楽センターで開かれたが、受賞者全員に、トロフィーとともに名前入りのダルマが贈呈された。
 
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 セレモニーでは、高崎映画祭委員会委員長、高崎市長などの挨拶に続いて、女子ソフトボールチームの監督など特別プレゼンターの紹介、受賞対象の映画予告編が一気に上映された。
 
受賞者登壇では、最優秀新人賞、主演・助演賞、監督賞、作品賞などの受賞者がスピーチした。
 
菊とギロチン」が監督賞(瀬々敬久)など4部門を獲得。
最優秀助演男優賞を受賞した東出昌大が登場した時には、あまりにも高長身(189センチ)でスタイルが良く、会場がどよめいた。「菊とギロチン」は自由な雰囲気が失われつつある世相の中、東京近郊で出会った女相撲一座の女力士たちとアナキスト・グループ“ギロチン社”のメンバーが惹かれ合っていく姿を描いている。
 
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最優秀主演男優賞を受賞したのは「、」(ざん)の池松壮亮だったが、髭を蓄え、ふてぶてしさえ感じさせる若手俳優の一人になった。
 
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初の時代劇「斬、」で監督を務め、自ら出演してスタッフ・キャストとともに最優秀作品賞に選ばれた塚本晋也は「今の時代の不安を、映画としての実験的な精神を盛り込んで描いた。理解していただけるかどうか微妙だが、どうしてもやりたいものを力を込めて作ったときに、高崎映画祭で賞をいただき、非常にうれしい」と述べた。
 
今回の最大のハイライトは、花筐/HANAGATAMI」で特別大賞が贈られた映画作家大林宣彦(81)ら14人が出席したことだった。
 
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 大林宣彦は、3年前に花筐/HANAGATAMIのクランクイン前日に肺がんであることが発覚。余命3ヶ月と宣告されたというが、抗がん剤治療を受けながらも、映画が完成。
 
5年前に川越の映画館で「野のなななのか」の上映の時は、元気な大林監督の姿を見ていたので、車椅子で舞台に登場し、小さくなってしまったような姿を見たときは衝撃を受けた。
 
しかしそんな車椅子の状態で弱々しかったかというと逆で、来場者は大林監督の「あと30年は映画を撮り続ける」という力強い言葉には拍手が起こった。
 
大林監督は「映画は、観客に見られて初めて存在する」として、大手映画会社では上映されない映画も多いが「花筐/HANAGATAMI」についてはDVD,ブルーレイが発売されたので、「1回でわからなければ100回見てもらいたい」と語った。
 
「僕も8ミリで出発したが、かつては塚本晋也も8ミリ小僧だった」(笑)。
「今撮っている映画は、黒と白を使わない作品だ」と語り、期待を寄せていた。
若い人たちがすばらしい作品を作っている。個人が集まって、集まることが平和の輪になっている。人こそが大切だとわかってきて、うれしい。そういう映画は生きたジャーナリズムであり、みなさんがそれを育てている」と語った。
 
戦争を知らない世代が増えており、伝えていかなければならないと反戦を強調していた。監督を60年間支えてきた妻・恭子も会場に来ていて、「売れない作家と思って結婚した」という妻の”売れない作家”というのが気に入っていると明かした。
 
映画にかける情熱は計り知れないほど強さが感じられたが、ガンに対しては「ガンに、下手なことをすると、お前も死んでしまうぞ」と語りかけるように、”共存”しているというのだが・・・。とにかく、「二度と戦争の道を歩んではならない」という振り絞るような、大林監督の日本の現状を憂うるメッセージが会場を包んだ。
追加:大林宣彦監督は、2020年4月10日、肺がんのため帰らぬ人となった。
今考えると最後のメッセージだった。https://fpd.hatenablog.com/entry/2020/04/11/082802
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映画関係者の挨拶では「映画はエンタメだけでなく、市民や行政の力により、高崎の文化を世界に発信できるのが映画の力だ」という。東京オリンピックを目指して、高崎の女子ソフトボール・チームの監督により、オリンピックへ向けての意気込みが語られていた。
 
家族のレシピ」という映画では、シンガポールの料理と高崎のラーメンの創作料理が登場し、高崎の食文化もアピールしているという。