優勝決定戦で熱海富士(手前)をはたき込みで下した貴景勝
「大相撲秋場所」は、大関・貴景勝(27)が、熱海富士との優勝決定戦の末、4場所ぶり4度目の優勝を飾った。
本割では4敗で並んでいた関脇大栄翔を撃破。3敗で単独首位だった前頭・熱海富士が先に敗れ、優勝決定戦に持ち込んでいた。
貴景勝は先場所は両膝のけがで全休。今場所はかど番だった。かど番大関の優勝は、2016年秋場所の豪栄道(現武隈親方)以来、7年ぶり9人目。全休明けの大関の優勝は、2003年春場所の千代大海以来、10年ぶり2人目となった。
貴景勝は今場所、黒星スタートだった。東前頭筆頭の北勝富士に、同体取り直しの末に敗れ、かど番脱出さえも危惧するファンもいた。
しかし、2日目から5連勝して波に乗った。7、8日目に正代、翔猿に不覚を取ったが、9日目からは再び5連勝を飾り、かど番を脱出。
最終盤は一進一退の優勝争いとなった。13日目に、単独先頭だった前頭・熱海富士との直接対決を制し、トップに並んだ。
だが14日目に、負ければ来場所かど番と必死の新大関・豊昇龍に敗れ、再び1差を追って、この日を迎えていた。自力優勝はなかったが、熱海富士が敗れたことで、再びめぐってきたチャンスを手にした。
終わってみれば貴景勝。
万全ではないといわれる貴景勝だが、大関の意地を見せた。
三賞は、熱海富士の「敢闘賞」のみだった。先場所の大盤振る舞いとは大違いで、「技能賞」「殊勲賞」は該当者なし、と寂しかった(笑)。
「敢闘賞」受賞の熱海富士
熱海富士は、さすがに、本割、そして決定戦に連敗し、悔しさをにじませていた。初賜杯はお預けとなったが、今場所の主役として駆け抜けた15日間を終えた熱海富士は、第一声で「悔しいな~…」と声を絞り出していた。
・・・
3役以上では、大関・関脇の全6力士が勝ち越した。新大関の豊昇龍は、千秋楽で勝ち越しを決めるというひやひやものだった。大栄翔は2桁となり、来場所、優勝など好成績なら大関への道が見える。
■秋場所の結果:
大関
貴景勝 11勝4敗…優勝
霧 島 9勝6敗
豊昇龍 8勝7敗
関脇
大栄翔 10勝5敗
若元春 9勝6敗
琴ノ若 9勝6敗
小結
北勝富士 8勝7敗
翔 猿 6勝9敗
平幕 (10勝以上)
熱海富士 11勝4敗
高 安 10勝5敗
北青鵬 10勝5敗
妙義龍 10勝5敗
翠富士 10勝5敗
9勝6敗力士
阿炎・豪ノ山・朝乃山・阿武咲・金峰山・遠藤・御嶽海・宇良