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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「夜の歌謡シリーズ 長崎ブルース」(1969)を見る。

夜の歌謡シリーズ 長崎ブルース」(1969)を見る。「長崎ブルース」は青江三奈の楽曲で、11枚目のシングル。1968年7月5日に発売され、青江三奈にとって「池袋の夜」に次ぐヒット曲となった。

「逢えば別れがこんなにつらい、逢わなきゃ夜がやるせない…」の青江三奈の大ヒットメロディーをバックに、夜の盛り場風俗を哀愁のメロドラマと熱いムードで綴る歌謡シリーズ…というのがうたい文句。

舞台は東京と長崎。七色のネオンが彩る盛り場の夜を結んで、男と女の様々な恋と愛欲の生態をなまなましく描く。いわゆるホスト稼業を描いた初期の映画の1本と言われる。

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クラブ・エリートのナンバーワン・ホスト浜崎史郎(松方弘樹)は新宿でまだあどけなさの残る少年・水野清志(谷隼人)を拾った。

清志はテレビタレントを志望していたが、史郎の甘言に乗り、クラブのセリに出されてしまった。

純情型の清志は熟女に最高値で落札され、いつしかホストとしての腕をあげていった。清志の姉・直美(宮園純子)が上京したのはそんな折だった。

直美は清志を説得して長崎へ連れ戻そうとしたが、高収入の仕事を捨てようとはしなかった。

直美は史郎にも懇願したが、史郎のプライドを傷つけてしまった。激怒した史郎は、直美に襲いかかったが、彼女の気品にふれ自分の行為を後悔した。

やがて、史郎は清志から直美の結婚話を聞かされ、長崎に発った。そして、婚約者の布施(梅宮辰夫)に直美と関係のあったことを告げた。直美は布施から蔑視され、絶望の余り自殺をはかった。

その直美を死から救ったのは史郎だった。だが、復讐に燃える布施はゴロツキを雇い、史郎に重傷を負わせたのだった。
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松方弘樹が女たらしのハンサムなホスト、谷隼人が年上の女に可愛がられる純情タイプのホスト、宮園純子が愛の板ばさみになって悩む長崎のホステス、大原麗子が遊び好きの金持ちの令嬢、青江三奈がセクシー・ボイスをたっぷりと聴かせるクラブの歌手、梅宮辰夫がキャバレーの営業部長で宮園の婚約者を演じる豪華キャスト。

今から見ると、松方弘樹が女性に性暴力を加えたり、平手打ちの暴力を振るったりと、最低男で、あとから「好きになった。ごめん」と言ったり、ひどい役(笑)。

若い谷隼人が23歳くらいで、ルックスが「太陽がいっぱい」のころのアラン・ドロンに似ていると思った(笑。ドロンは世紀の二枚目だが…)。

大原麗子が、気に入った男は金を積んで手に入れるという金持ちのドライな現代的なお嬢さんを演じている。

東映の当時の定番シリーズだった「夜の歌謡シリーズ」は青江三奈、森進一、八代亜紀の代表曲などにちなんだ映画があり「伊勢崎町ブルース」「港町ブルース」「おんな」「なみだ恋」「命かれても」「女のみち」などがある。

1970年前後の時代の東京と長崎の街並みなどが見どころだった。

脚本:舟橋和郎
監督:鷹森立一 
出演者:
松方弘樹宮園純子谷隼人大原麗子、長沢純、藤村有弘、曽我町子、白木マリ、西岡慶子、若水ヤエ子、梅宮辰夫、青江三奈