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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」(原題:英題:The Translators, 2019)を見る。

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9人の翻訳家 囚われたベストセラー」(原題:英題:The Translators, 2019)を見た。「MOVIXさいたま」にて。ダン・ブラウン小説の4作目「インフェルノ」の実話を基にした作品。観客は”誤訳”する、見誤る、という宣伝文句があるが、「えっ」「あっ」が待ち構えているので、途中睡魔に襲われても、ぱっと目が覚める。

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ドイツ・フランクフルトのブックフェア会場で、世界的ベストセラー「デタリュス」の三部作の完結編が遂に完結、出版権を獲得した出版会社社長のエリック・アングストロームランベール・ウィルソン)は多言語の翻訳も確約し、全世界で一斉に発売すると宣言する。

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そして、世界各国から9人の優秀な翻訳家たちが、ロシアの富豪が核シェルター用につくったという地下室のあるフランスの豪邸に集められた。翻訳者たちの携帯電話やパソコンなどの通信機器はすべて没収され外部との接触を不可能にさせられ、軟禁されながらその翻訳作業を開始する。

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1日20ページほどの原稿を渡されて、1か月で仕上げて翌1ヶ月で推敲するというスケジュール。食事は豪華で、週1日与えられている休日のためのボーリングやプールなど娯楽施設も備わっている。こうした中で、翻訳家たちはそれぞれ何事もなく翻訳作業を進めていた。

世界各国の翻訳家たちは個性的な面々だったが、中でも目立っていたのが、若いながらもこの翻訳の英語版の仕事を任されたアメリカ人のアレックス〈アレックス・ロウザー)、そして、「デタリュス」という作品にのめり込むあまり、髪型から服装までヒロインそっくりに整えてきたロシア語版の翻訳を担当するロシア人のカテリーナ(オルガ・キュリレンコ)。お金のためと割り切って翻訳作業に従事ずるギリシャ語版翻訳を担当するコンタンティノス、それぞれがそれぞれの思惑でこの翻訳作業を進めていく。

そんなある日、アングストロームの携帯に「冒頭の10ページを流出させた。24時間以内に500万ユーロを支払わないと、明日また次の原稿を流出させる」といった脅迫メールが届く。 そして、そのメールの最後には、翻訳家たちが楽しんだクリスマスパーティでの皆で合唱したワンフレーズが引用されていた。

アングストロームは、犯人は9人の翻訳家たちの中にいるとして、その身辺を洗い出すよう警備員に指示をだす。いったい誰が犯人なのか、それぞれが疑い始めていくのだった。

最後にはアッと驚くどんでん返しが待ち構えている。

 

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登場人物:

■エリック・アングストロームランベール・ウィルソン (出版社のオーナー)

■カテリーナ・アニシノバ: オルガ・キュリレンコ (ロシア語の翻訳者。原作のヒロインに入れ込んでいる)

■アレックス・グッドマン: アレックス・ロウザー(英語の翻訳者。最年少)

■ハビエル・カサル: エドゥアルド・ノリエガスペイン語の翻訳者。左腕を怪我している)

■エレーヌ・トゥクセン: シセ・バベット・クヌッセンデンマーク語の翻訳者)夫と幼い子どもたちを置いて参加)

■ダリオ・ファレッリ: リッカルド・スカマルチョ(イタリア語の翻訳者)

■ジョルジュ・フォンテーヌ: パトリック・ボーショー (書店経営者。アングストロームの文学の師)

ローズマリー・ウエクス: サラ・ジロドー(アングストロームの助手)

■イングリット・コルベル: アンナ・マリア・シュトルム(ドイツ語の翻訳者)

■チェン・ヤオ: フレデリック・チョウ(中国語の翻訳者)

テルマ・アルヴェス: マリア・レイチ (ポルトガル語の翻訳者。反抗的)

■コンスタンティノス・ケドリノス: マノリス・マブロマタキス (ギリシャ語の翻訳者。金のための仕事と開き直っている)

 

 アタッシュケース、暗証番号、地下鉄を車で追うカーチェース、9人を集めた出版社社長の弱点・落とし穴、犯人の目的、偽装工作、言葉(言語)の壁、ベストセラー「デタリュス」の作者の正体、予想外の展開、カタルシス・・・。”謎の総合商社”のようなひねりのオンパレード。