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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ル・ジタン」(1976)アラン・ドロン主演。

 
アラン・ドロン主演の「ル・ジタン」(原題:Le Gitan, 1975)を見た。
ドロンの映画作品数は計70+くらいあるが、未見作品も少なくなってきた。
あと10+くらいか。
 
ジプシーの出身というだけで、いわれなき差別を受けてきた男、ル・ジタンの憤りと反逆の人生を描くフィルム・ノワールヨーロッパではいまだに根強い偏見と共に語られる事の多いジプシーを題材に、社会を憎悪し強盗を重ねるアウトローのジプシー(アラン・ドロン)と、彼を追う老刑事の対決を描いている
 
製作はレイモン・ダノンとアラン・ドロン、監督・脚本・原作は「暗黒街のふたり」のジョゼ・ジョヴァンニ、撮影はジャン・ジャック・タルベス、音楽はクロード・ボランが各々担当。出演はアラン・ドロン、ポール・ムーリッス、アニー・ジラルド、レナート・サルヴァトーリ、モーリス・バリエ、マルセル・ボズフィ、ベルナール・ジロドーなど。
 

映画「
Z」や「フレンチ・コネクション」でチンピラなどやくざを演じることが多いマルセル・ボズフィ写真が、「ル・ジタン」では、法の番人である警視を演じていて出番も多く準主役級で出演しているのに驚かされる。アニー・ジラルドレナート・サルヴァトーリは、ドロンとは「若者のすべて」で共演している。
 
アラン・ドロンのヒゲ・スタイルは「仁義」(1970)以来か。
 
・・・
ユーゴ・セナール(アラン・ドロン)は、時黒街の仲間たちから“ジタン”という通り名で呼ばれる、一匹狼のならず者。どこにいっても世間から冷たい仕打ちをうけるジプシー民族の宿命を背負い、反逆に人生を賭けて様々な犯罪に身を投じていた。
 
今から年前、ジタンは仲間を虐待したある村の村長を殺し無期懲役で入獄していたが、刑務所で知り合った名うての銀行強盗ジョー・アミラ(レナート・サルヴァトーリ)と共に脱獄、この半年間に、件もの銀行強盗をやってのけた。
 
警察はブロー警視(マルセル・ボズフィ)を捜索に当らせたが、一ヵ所では眠らないジタンを捕えることは至難の技だった。そのジタンは、今だかつて会ったことのない時黒街の大物ヤン・キュック(ポール・ムーリッス)と、少なからぬ因縁で結ばれていた。
 
 
ヤンは年若い女房を誤って殺したことから逃亡生活をおくっていたが、その先々でジタンたちが事件を起こしては風のように立ち去っていった。こうしてジタンとヤンの双方を追うことになったブロー警視はマルセイユ一帯のバー、キャバレーなどをシラミ潰しに捜し廻った。
 
一方、ヤンが潜んでいるピエロの家とは河一つ隔てた所にある隠れ家で休養中のジタンのもとに、仲間のマルセルから宿敵リケの居所が報された。ジプシー出身というだけで、服役中、リケに虐待されたジタンは眼前で許しを乞うリケを銃殺する。
 
このリケ殺害事件で捜査網を固める警察。その捲きぞえをひたすら恐れるヤンはピエロの家を去り、昔なじみの名物女ニニー(アニー・ジラルド)のもとに移っていった。ニニーはかつてレジスタンス運動で戦った気丈者で今は小さな旅館を経営していた。
 
一方、ブロー警視の追求で最初の密告者になったのはジタンの昔の仲間だったリナルディ兄弟だった。その頃ジタンたちは他国に逃亡する旅券が入ったので最後の仕事としてニースの郵便局を襲撃、大金を強奪したが仲間のマルセルが警官に撃たれて死んだ。
 
ジタンはその足でリナルディ兄弟を射殺するとヤンが潜伏するニニー旅館の近くに隠れた。だがその夜、ヤンの弁護士と宝石を処理したジャンノがニニー旅館を訪れ、さらにその二人を尾行してきたアベックの男女が投宿、これがブローの放った刑事と婦人警官だった。
 
そんなことはいっさい知らないジャックとジョーは、ニニー旅館に夜食を取りに入ったばかりか女を口説いたりしてハメをはずしたため、すっかり身許を知られてしまった。
 
明け方、ニニー旅館は完全に包囲され、ジョーとジャックは脱出の途中重傷を負った。連絡をうけたジタンはオートバイでバリケードを突破したが傷を負い、森のはずれにあった獣医ヴァイスの家で意識を失った。
 
数日後、ヴァイスの手当てで恢復したジタンは、その礼をいおうとして、素直にいえない自分に気づいた。幼い頃から虐げられて育ち、社会への反感をつのらせて今だかつて一度も人に詫びたことがないのだ。
 
それから一ヵ月後、ジプシー・キャンプで父と妻と子供たちと過ごしたジタンは、新聞で仲間のジョーが生きていることを知り、その居所を教えてもらおうと、ヤンのもとを訪れた。しかし折悪しく、ブローたちがヤンのアパートを包囲していた。
 
そうした危機の中で初めて出逢った一匹狼ジタンと老ギャング、ヤン。
生いたちも環境もすべて違うが、ならず者同士に通じ合う暗黙の共感と狐独。
数刻後、ヤンのアパートを辞したジタンがエレベーターに乗ったとき、ブロー警視が踏み込んできた。
 
ジタンはブロー警視にピストルを突きつけヤンを逃亡させようとしたが、すでに老雄はすべてをあきらめて、逆に車のキーをジタンに投げつけて、逃げるようにといい放った。
 
ジタンは車でジプシー・キャンプに向かったが、すでにそこでは仲間のジプシーたちが警察の命令で立ち退きをさせられている最中だった。ジタンは口笛でひとり息子を物陰に呼び寄せ、しっかり抱きしめる。“さようなら愛する息子・・・”。ジタンは息子だけを一人汽車に乗せて旅出たせたMovieWalker)
 
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アラン・ドロンの作品の中では、どちらかといえば、マイナーな作品なのか、あまり話題になりにくい作品かもしれない。
 
★★
 
 
 
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