映画「のすごくうるさくて、ありえないほど近い」予告編
この映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」は、タイトルがものすごく覚えにくくて、ありえないほどの展開となるが、今年のアカデミー賞の作品賞候補の1本だったこと、なによりラストにどんでん返しがあるというので見た。
あの9.11から1年が経過するが、オスカー(トーマス・ホーン)、どうしても父の突然の死を受け入れることができない。ある日、そのままになっていた父のクローゼットで青い花びんの中「Black」と書かれた封筒を見つける。中にカギが入っていた。
オスカーは、普段父親と宝探しや、言葉の遊びなどをしていたことから、同封されたカギは、父の最後のメッセージを解くカギになると考え、そのカギに合う「カギ穴」を探す旅を開始する。
人と触れ合うことが苦手なオスカーだったが、父との思い出を勇気に変えて、ニューヨークに住む全472人の「ブラック」姓をひとりひとり訪ねていく。
果たして、オスカーはカギ穴の向こうにある真実へとたどり着けるのか・・・といったサスペンスを盛り込んでいる。
ニューヨークの5区のブラック姓は、472人。オスカーは、全員を訪問して、父親が残した真相を探索することになる。苗字がブラックの名前の中にKaren Black(女優)の名前があったのは、ご愛嬌。
主演は、2度のアカデミー主演男優賞に輝いたトム・ハンクスが父トーマスに、「しあわせの隠れ場所」でアカデミー主演女優賞を獲得したサンドラ・ブロックが母リンダに扮している。他に名優マックス・フォン・シドーが、セリフなしの筆談で、存在感を示す。
主人公の少年は、父親とばかり遊んで、母親とはあまり会話も交わさずむしろ遠ざけてきた。「ビルにいたのがママだったらよかった」とつい言ってしまうのだが、最後に母親の、あっとおどろくような「大逆転」があり、母子の関係が修復する・・・。
少年と父親の言葉遊びで、相反する言葉をつなげた「矛盾」する言葉の組み合わせの応酬が面白い。たとえば「オリジナル・コピー」「生きる屍(しかばね)」「小さな巨人」「本物の偽物」…など。
飛行機が飛び込んだツインタワービルの106階に閉じ込められた父親が、留守宅に電話するが、息子は現実(真実)を知る恐怖から電話に出ない。留守番メッセージが6回。その留守番メッセージの存在を自分の母にも伝えず、自分の腹に閉じ込めておくのだが、それを自分とかかわりのある別の人物に「告白」する時がやってくる。
このあたりはサスペンスタッチ。
オスカー少年を演じたトーマス・ホーンは、非社交的だが、記憶力がよく、超几帳面で、数字は細かく記憶している。父からの電話メッセージの「Are you there? (居るの
か?)」と6回言うが、何回目と何回目の間に4秒の間があった…など。
青い花びん、鍵、遺品セール、新聞切り抜き、「わからないの?」と肩をすくませる格好、ウソ、ハグ、間借り人・・・といった小道具、キーワードが生きている。
「シックス・センス」のハーレイ・ジョエル・オスメントに勝るとも劣らない子役恐るべしの1本だった。
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