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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「マルサの女」(1987)


マルサの女」(1987、A Taxing Woman)
 
マルサの女」(1987)は、1980年代の日本映画にも、こんなにも面白い映画があるのか、と当時は引き込まれた映画の1本だった。
 
”マルサ”とういう聞きなれない言葉をその年の「流行語」にした伊丹十三監督の着眼点もすごい。マルサ・・・醤油ではなく、国税局査察部の俗称だ。
 
伊丹十三監督の映画は、第一弾「お葬式からして、度肝を抜かれた。
 
「葬式」をテーマに、しかも、映画のタイトルにして、笑い飛ばすようなおかしみでインパクトがあった。その次の「タンポポ」は、いまいち乗りきれなかった。しかし、第3作のサスペンスに満ちた「マルサの女」は、おかっぱ頭でそばかすだらけの女主人公の国税局査察部(マルサ)の査察官(宮本信子)のキャラは、新鮮だった。伊丹監督の10作品にすべて出演・主演し、演技派女優の仲間入りを果たした。
 
宮本信子は、実際に査察部を見学して、女査察官とともに、現場を一緒に回ったという。
 
「目の付けどころがシャ○○でしょう」というCMの会社はおかしくなってしまったが、伊丹監督の目の付け所は「お葬式」にしても、意外性に驚かされた。
 
お葬式」は大ヒットしたが、税金でごっそり持っていかれたのがきっかけで、税金・脱税のからくりについて研究し、映画化したというから、世の中はわからない。
 

国税局査察部(マルサ)に勤める女性が、ラブホテル経営者を脱税で摘発するまでを描いた痛快娯楽作品の傑作。税務署の調査官・板倉亮子(宮本信子)は脱税を徹底的に調べ上げるやり手。
 
ある日、一軒のラブホテルに目をつけるがオーナーの権藤(山崎努)はなかなかシッポを出さなかった。そんな時、亮子は国税局査察部に抜擢される。マルサと呼ばれる摘発のプロとして経験を積んでいった亮子は、上司の花村と組んで再び権藤と相対するのだった・・・。
 
マルサというそれまで馴染みの薄かった職業にスポットを当てて、巧妙な手口で脱税を行う事業家たちとそれを鮮やかに見破る捜査官たちとの手に汗握る虚々実々の対決をテンポよくスリリングに描いていくところが小気味いい。
 
昨日、テレビ放映されていたので再見したが、津川雅彦があまりにも若いのに驚いた。1988年(第11回)日本アカデミー賞・最優秀作品賞最優秀主演男優賞山崎努)・最優秀主演女優賞宮本信子)・最優秀助演男優賞津川雅彦)と、この年の同賞をほぼ総なめにした。
 

 
音楽もテンポよく、テレビなどで脱税関連のニュースがあると流される定番のような曲だ。エンターテイメントの題材として取り上げられることがなかった脱税が、現実のバブル経済と符合した結果、複雑なカネの流れが見事にストーリーに組み込まれている。脱税の証拠を見つければ勝負が決まるとした設定が、脱税者とマルサの攻防にスピードとスリルを生んだ。銀行の隠し口座のハンコの隠し場所が、10数個もある口紅の中に隠されていたり、その手口も興味を呼んだ。
  
登場人物の俳優・女優が小沢栄太郎芦田伸介小林桂樹大滝秀治岡田茉莉子をはじめ豪華キャスト。
 
伊丹監督の作品をもっと見たかった。
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