見たのはせいぜい10数本くらいです。最後に見たのは「女ざかり」か。
吉永小百合の最新作「おとうと」は見たいと思っているので、その前に前作「母べい」も見ておきたいと思い、先日TV放送もありましたが見逃したので、DVDとなりました。
山田洋次監督の久しぶりの現代劇で関心はありました。「母べい」の時代背景は、昭和15年(1940年)あたり。ということは、山田監督(1931年生まれ)は、当時小学生。
映画は、この映画に登場する「照べい」こと次女の野上照代さんの著書「父へのレクイエム」であり、次女のナレーションで回想する形になっています。
昭和15年(1940年)前後、“思想犯”として治安維持法違反で警察に検挙されたドイツ文学者の野上(父べい)を中心に片寄せあって生きてきた庶民一家の物語です。
治安維持法に屈せず、戦争反対を訴え、自由を掲げてたたかった夫、その夫を犯罪者と見るものには、実父や恩師であっても毅然と立ち向かう「母べい」の強さ。このあたりの毅然とした吉永小百合は、すごいです。平和活動で、朗読などを行っていることもあり、演技も訴えるものがありました。
「贅沢は敵」のたて看板。赤紙一枚での出征命令。特高(秘密警察のようなもの)の監視。
こうした戦争の影、実際に開戦になると、3年間余の暗黒時代に突入する時代に生きた家族の生きる姿が、いきいきと描かれていくが・・・テーマは重い。
こうした戦争の影、実際に開戦になると、3年間余の暗黒時代に突入する時代に生きた家族の生きる姿が、いきいきと描かれていくが・・・テーマは重い。
山田洋次監督の作品は、いつも思いますが「寅さん」シリーズだけではない。骨太の名作が多い。「おとうと」は、ベルリン映画祭で、高い評価からクロージング上映が決まっており、国際的にも話題になりそう。ベルリン映画祭の特別功労賞を受賞していますね。
それにしても、最近の笑福亭鶴塀の俳優としての活躍はすごい。
まるで、車寅次郎亡き後の”後継者”のようだ(爆)。
まるで、車寅次郎亡き後の”後継者”のようだ(爆)。
昨年の「ディア・ドクター」、公開中の「おとうと」・・・俳優としても得がたい存在になっていくのか。
☆☆☆