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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「ひまわり」(2000、麻生久美子主演)</span>




映画タイトルはイタリアの名作と同じ「ひまわり」でも、2000年の行定(ゆきさだ)勲監督の劇場映画第一作。

行定監督といえば「世界の中心で、愛を叫ぶ」(2004)が有名。


海難事故で行方不明になった女性、真鍋朋美(麻生久美子)の葬儀に出席したかつての同級生や恋人たちが想い出を回想する中で、やがて浮かび上がってくる死者の想いを描く青春群像ドラマ。

小学校時代のクラスメートや、最近まで真鍋と会ったことがあるという人物や、かかわりのあった人間が
人物を浮かび上がらせる。真鍋(麻生)が登場するのは、回想の中だけということになる。

紺野輝明(袴田吉彦)は、同棲中の恋人・由香里との喧嘩の途中、ニュースで小学校時代のクラスメートだった朋美が海難事故で行方不明になったというニュースを見る。しかもその事故の少し前、輝明の留守に彼女から電話があったらしい。

友人たちと朋美の葬式に出席するため、帰郷する輝明。久しぶりに集まったかつての同級生は、葬儀の最中、遺体が収容されたとの知らせを受けて警察に赴いた遺族が帰ってくるまで、朋美との想い出話に花を咲かせることになるが・・・。

しかし、転校生だった朋美を憶えている者は少なく、朋美の悪い噂ばかりが囁かれてしまう。

登場人物がそれぞれ主人公・朋美との思い出を語り、彼女との関わり合いを描くことで、その場にはいない朋美の存在感、人物像を浮き上がらせ際立たせていく。同じ人物のはずなのに、意外な側面を知らされた彼らは、実は誰一人として本当の朋美の姿を知らなかったことに気付かされる・・・。

麻生久美子は、ハマり役。回想の中にしか登場しないが、記憶の中の主人公は、はかなく切なく、おぼろげで、まるで幻のような透明な存在でありながらも、鮮明な印象を与えている。

麻生以外の役者の多くが、いまひとつぎこちない印象なのが少し残念。

麻生久美子の作品も鑑賞したのは、まだ3分の1くらいで、これからもしばらく追っかけの ”旅”は続きます(爆)。