「マスカレード・ナイト」(2021)は前作「マスカレード・ホテル」に続く第2弾。「マスカレード」は仮面舞踏会のこと。舞台となるのはまたしても「ホテル・コルテシア東京」。
主演は、木村拓哉と長澤まさみ。脇役が木村佳乃、麻生久美子、小日向文世のほか、ちょい役も含めてそうそうたる曲者俳優が出演するオールスターキャスト。
この映画のキャッチコピーは「パーティー参加者500名、全員仮装、全員容疑者」
立場も性格も真逆の異色バディは凶悪な殺人犯の「仮面」を暴き、「死」のカウントダウンを止めることが出来るのか—。
・・・
大晦日に仮面舞踏会によるカウントダウン・パーティーが開催されることになったが、ファクスで、その場で殺人事件が起こるという予告文が警察に送られてくる。
現れる殺人犯を捕まえるため、新田(木村拓哉)は再び“全てを疑う”潜入捜査官"としてホテルのフロントに立つ。
他方、フロントクラークからコンシェルジュに抜擢された山岸(長澤まさみ)はホテルマンとして“お客様を信じる”ことで最上の時間の提供を心掛ける。
2年の時を経ても、2人の考え方は相容れない。そこへ、次々と現れるパーティー招待客。誰もが怪しく、謎は深まるばかりだが・・・。
”コンフィデンスマンJPコンビ”・・・
映画の冒頭、木村拓哉が中村アンとアルゼンチンタンゴを踊っているシーンが何度も登場する。一見するとストーリーと関係なさそうだが、後半にその謎が解ける。
長澤まさみの腕時計の時間がずれていたが「ホテルマンが時間を気にするようではだめで、お客様を最優先にする」というポリシーからだとか。こうしたささやかなことが、伏線となって後から効いてくる。
この映画で一番驚いたのは、麻生久美子の悪役ぶり。
無表情から、一転して、男のように(実は、妹を亡くし、男として生きることにした)怒号を発する。
沢村一樹は、いかにも怪しい人物で、なにかと無理な要求をしたり、あるいは予告犯かと思ったら意外な人物だった。
山岸が、ホテル側のある人物の覆面調査の結果、ホテルマンとして認められ、アメリカ勤務が決定する。
ホテルと山岸のポリシーは「客の要望には、ノーと言ってはならない」という徹底ぶり。ある女性客(田中みな実)の要求は、部屋の中に肖像画など人物写真はご法度で、東京タワーが見える部屋で、大きな顔写真の広告ボードもNGだという。窓の視界の先に明石家さんまの広告があったのも気に入らないのだ。ホテル側は、何とか見えないように工夫する。
アメリカ勤務をめぐっては、候補の一人だった石黒賢。フロントで、潜入の新田が女性連れのある客に対して「いつもご利用ありがとうございます」といったことに、石黒賢が配慮に欠けると注意喚起する。
その男性客の宿泊日程が、いつも月曜日であり、同伴者が不倫相手だったからだ。今回は、妻を連れてきたが「いつも利用」していることが妻に知られるからだ。
「ホテル内は、すべての人間が仮面をつけている」のだという。
ホテル内では不倫という言葉の代わりに「ラブ・アフェア」という言葉を使っていた(同じようなものだと思うが。笑)。
事件が一件落着して、客としてやってきた新田が、山岸にリクエストする。「レストランの2人分の予約」というのだが、その予約日は、「山岸がアメリカから戻った日」というものだった。
山岸がホテルをあとにしてアメリカに向かうところを、新田らが見送るが、さらに続編がありそうな幕切れだった。
原作は東野圭吾。「マスカレード」は木村拓哉を念頭に執筆したということで、木村拓哉のはまり役となった。結構面白く見られた。
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