fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「永遠の人」(1961)</span>

木下恵介脚本執筆・監督による人間の愛憎、というより憎悪に重きを置いた "年代記”による
ものがたりだった。

九州・阿蘇山を舞台にした夫婦の愛憎劇を描いた。
木下監督が、映画ではコンビを組むことが多かった高峰秀子のために
作り上げた映画といわれている。

従来の木下作品とは異なり、"永遠の憎しみ”に貫かれた異色作。




不本意な愛のない結婚をし何十年もの心の葛藤を繰り広げるさだ子(高峰秀子)と平兵衛(仲代達矢)。
常に背後にある広大な阿蘇山の風景がいい。互いに「許し」あえる瞬間が感動的だった。
若かりし田村正和が息子役として出演していた。この映画を見たのは、1976年と映画製作後、10数年
経っていたが、子役の田村正和の印象は薄い(苦笑)。

「第1章」昭和7年(1932年)の九州阿蘇
地主・小清水の小作人の娘・さだ子(高峰秀子)には隆(佐田啓二)という恋人がいた。
地主の息子・平兵衛(仲代達矢)はある日、片足を負傷して戦地から復員する。
さだ子は平兵衛に犯され入水自殺を企てるが助けられる。

「第2章」昭和19年(1944年)。12の歳月が流れ、隆に去られたさだ子は平兵衛と結婚する。
栄一(田村正和)、守人、直子の三人の子をもうけていた。太平洋戦争も末期、隆も兄の力造(野々村潔)も応召していた・・・。

全体が5章で構成され、昭和7年から昭和36年までのさだ子と平兵衛との憎悪の半生記である。
フラメンコのリズムが印象に残る。30年間の憎み、苦しんできた二人にようやくおとずれたのは・・・。

キャスト(役名)
高峰秀子 (さだ子)
加藤嘉 (父・草二郎)
佐田啓二 (川南隆)
野々村潔 (兄・力造)
仲代達矢 (小清水平兵衛)
永田靖 (父・平左衛門)
浜田寅彦 (越沼)
乙羽信子(隆の妻・友子)
田村正和 (平兵衛の息子・栄一)
戸塚雅哉(平兵衛の息子・守人)
藤由紀子(隆の息子・豊)
東野英治郎 (駐在のお巡り)

この映画は、1976年に、銀座・並木座で「女の園」との二本立てで見た。
高峰秀子の名演が光った。

☆☆☆