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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

1970年代(125)「探偵スルース」(1973)。心理劇の傑作。

 

イギリスの”サー”ローレンス・オリビエとマイケル・ケインという2大俳優による頭脳戦ともいえる丁々発止のサスペンス映画である。
2転3転するストーリー展開が面白く一時も目が離せなかった。1972年製作、1973年春、日本公開。
とくに登場人物が、ローレンス・オリビエとマイケル・ケインの二人だけで、限られた舞台を最大限に生かしていた。見応えのあるミステリー映画となり、ジョセフ・L・マンキーウイッツ監督は4度目のアカデミー監督賞にノミネートされたが、この映画が遺作となってしまった。
「二人だけ」というのがポイントのようだ。場所も屋敷内だけ。屋敷内には悪趣味な人形やゲームがおびただしく置いてある。特別重要な小道具は一切なし。
二人の演技だけで2時間半の推理ドラマとなってしまうのだから、うなってしまう。

探偵スルース」は、もともと舞台劇。ロンドン、ニューヨークで大当たりしたという。
舞台はロンドン郊外の邸宅。
老推理作家のワイク(ローレンス・オリヴィエ)は、彼の妻と関係を持っている美容師マイロ(マイケル・ケイン)と話をつけようと、彼に宝石強盗を演じさせる。
これはワイクの策略。
うまくいけば、マイロには浪費家の妻を食わせるだけの金ができ、愛人のいるワイクには保険金が転がり込むという思惑。
こうして、ワイクに乗せられるまま、マイロは強盗を演じる事になるのだが・・・。
 
邸宅だけを舞台にして、オリヴィエとケインが演技合戦を展開。
マンキウィッツのすばらしい演出ぶりが際立った。
「探偵スルース」は、マイケル・ケインジュード・ロウで最近リメイクされており、
こちらも公開が待ち遠しい。
 
ジョセフ・L・マンキーウイッツの作品では、個人的には「イヴの総て」がサイコー!
ベッティ・デービスとアン・バクスターの新旧の女優の演技のすばらしさと華やかなスターの内幕物語として、わくわくした記憶がある。マリリン・モンローがわずかばかり出演している。

 

☆☆☆☆
追加:リメイク作品「スルース」(2007)では、オリジナルのオリビエが演じた役をケインが演じている。将来は、ジュード・ロウにまた引き継がれたりして♪