<span itemprop="headline">映画「の・ようなもの」（1981）</span>

　
　秋吉久美子の話題がでたところで、この作品。「の・ようなもの」。
　懐かしい香りが漂う東京の下町。落語家のタマゴがソープ嬢と女子高生に出会い、
　割り切れない気持ちのまま両方とデートを重ねる。

　モテモテの状況だが、肝心の本職の落語はイマイチ。ありふれた青春の断片だが、
　軽妙なタッチで綴った、おかしくてちょっと切ない青春コメディーだった！

　

　映画の中では、秋吉久美子が、インテリの
　トルコ（ソープランド）嬢を演じて話題となった。
　監督は、この作品が長編映画デビューの森田芳光。

　森田監督といえば「失楽園」などの代表作のほか、
　近年では、「間宮兄弟」などで知られる。そして、
　今年の年末には、黒澤明監督の名作「椿三十郎」
　のリメイク作品の公開が控えている。

　「の・ようなもの」は、古典落語の修業に励む二ツ目の落語家とトルコ嬢、落研の
　女高生たちの青春群像を描いている。

　二ツ目の落語家、志ん魚（伊藤克信）は23歳の誕生日を迎えた。
　志ん魚は、志ん米（尾藤イサオ）をはじめ、仲間の援助で初めてトルコ（ソープランド）に
　行った。志ん魚についたエリザベス（秋吉久美子）は初々しい彼に興味を抱き、二人はその日
　からデートを重ねた。

　実は、エリザベスは、ペンギンブックスを読むようなインテリだ。数日後、そんな志ん魚に、女子高の
　落研に所属する女の子たちがコーチを依頼に来る。志ん魚はその中の一人、由美に心を寄せる。
　純な志ん魚は、由美のことをエリザベスに告白するが「バレなければいいじゃない」と
　気にしない。

　志ん魚は割りきれないまま、エリザベス、由美とデートを続けた。その頃、志ん米の真打ち
　昇進が決まった。先輩の昇進を喜ぶと同時に、取り残されたような気持の志ん魚は、
　エリザベスの部屋を訪ねた。

　エリザベスは、雄琴に行くと荷作りをしていた。寂しさをこらえて手伝う志ん魚。
　志ん米の真打ち昇進パーティの日、志ん魚と仲間は将来の夢を語り合うのだった・・・（gooより）。

　秋吉は、いつものように、まったく屈託のない演技で自然に演じていた。
　ソープ嬢という特別な役に挑戦。共演者もにぎやかで、室井滋、ラピッド関根（関根務）、小堺一機、
　春風亭柳朝、加藤治子など。

　森田監督の原点となった作品で、「椿三十郎」のリメイク作品を機に、
　もう一度、見てみようかと思っている。
　
■森田芳光監督野作品

『ライブイン・茅ヶ崎』（1978年）
『の・ようなもの』（1981年）☆☆☆
『シブがき隊 ボーイズ&ガールズ』（1982年）
「本（マルホン）噂のストリッパー」
「ピンクカット太く愛して長く愛して」
『家族ゲーム』（1983年）☆☆☆☆
『メイン・テーマ』（1984年）
『ときめきに死す』（1984年）
『それから』（1985年）
『そろばんずく』（1986年）
『悲しい色やねん』（1988年）
『キッチン』（1989年）
『愛と平成の色男』（1989年）
『おいしい結婚』（1991年）
『未来の想い出――Last Christmas』（1992年）
『(ハル)』（1996年）
『失楽園』（1997年）☆☆☆
『39 刑法第三十九条』（1999年）
『黒い家』（1999年）
『模倣犯』（2002年）
『阿修羅のごとく』（2003年）
『海猫』（2004年）
『間宮兄弟』（2006年）☆☆☆
『椿三十郎』（2007年）☆☆☆