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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画:「あるスキャンダルの覚え書き」(2007)</span>

 
 「あるスキャンダルの覚え書き」では、久しぶりに、映画の醍醐味を味わった。
 
 (原題 NOTES ON A SCANDAL、2006、英国映画)。
 
 実話だという。

 大勢の記者、レポーター、カメラマンが、家の入り口で、待ち構える中、
 「I'm HERE!」(私はここよ!)と居直るスキャンダルの渦中にある
 中学の美術教師、シーバの叫び声が圧巻だった。
 



 オールド・ミスといっても、中学の教師で、来年定年となる醜い老女、バーバラ
 (ジュディ・ディンチ)は、一度の恋愛経験もなく、今日まで生きてきた。
 「この孤独感は、他人には絶対にわからない」とバスタブでつぶやくリアリティ。

 同じオールドミスでも「旅情」のキャサリン・ヘップバーンは、まだ若い年齢で、
 魅力はあった。このバーバラときたら、醜悪(もちろん役柄=笑)そのもので、
 変質的。学校内では、時々相談は受けるものの、嫌われている存在であることが
 わかっていく。

 そのバーバラの唯一の楽しみは、”観察”日記を書くこと。
 週末は、コイン・ランドリーに行く以外は、予定がない
 変化のない空白の日々の中で、なにか約束ができれば、それこそ
 「金星」というわけだ。その日には、星(スター)のマークを貼り付ける。

 新米の美術教師としてやってきた美しい女性、シーバ(ケイト・ブランシェット)は、
 ”親友”になる格好のターゲット(餌食)となった。

 あることを目撃して、バーバラは、シーバを完全支配下においたかに見えたが・・・。

 



 ともにアカデミー賞の受賞経験を持つ二人の演技派女優のぶつかり合いはすさまじい。
 相手の弱みを握って、相手を思いのままにさせる醜悪な老女役のディンチもすごいが、
 ブランシェッットも、美貌の中に孤独感とやるせなさ、人妻の少年へのよろめきを
 無理なく演じて、すごい。

 ラスト・シーンもにくい。
 ディンチのしたたかさ、長年の身についた習性は、打たれ強いのか、
 爪は、新たに研ぎ澄まされていた!

 携帯電話など、今風の小道具の使い方もうまい。
 もっとも見られてはいけない人物に、携帯を取られて、相手の言葉を聞いてしまう・・・。

 セリフの魅力も大きい。
  
 先日「クイーン」を見て、感動したが、「ある~」もイギリスが舞台で、
 クイーンズ・イングリッシュで、随所に気の利いたセリフがあったように思う。

 CMなどでもよく使われる言葉の一つ:
 "What are you waiting for?" (急いで!とか、ぐずぐずしないで!のニュアンス)

 ブランシェットは、「アビエーター」が印象に残るが、それ以外にも
 「バンディッツ」など主演でいい作品に出ている。
 
 まったく蛇足だが、携帯の着メロが、台湾の会社の人と同じだったので、
 機会があったら、話しておこう。

 映画として、ぐいぐいひっぱていく面白さがあった。
 未見の人には、お勧めの1作だ。

 (Astayさん、ついに見てよかったですね。笑)

 追加:ポニーさんも見た!(傑作と言っていたようだ。笑)