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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">1970年代(70)「グリニッジ・ビレッジの青春」</span>



 「グリニッジ・ビレッジの青春」(1976)は、1953年のグリニッチ・ビレッジに集う若者たちを
 描いた、ポール・マザースキーの自伝的作品。
 
 ハリウッド行きを夢見る役者志望の主人公を始め、主要登場人物のキャラクターが良く、ペーソスに
 満ち溢れたエピソードと共にほろ苦い青春映画となっている。出演は、主人公の母親役の
 シェリー・ウインタースなど。

 ”グリニッチ・ビレッジ”(ニューヨーク)を根城に演劇、文学などを志す青年たちの喜怒哀楽を
 描いた青春映画。1950年代のニューヨークの風景にB.G.M.のジャズがぴったりのいい雰囲気の映画
 だった。

 主役の演劇青年(顔が頼りない)の母親(シェリー・ウインタース=この人、いつも上手い)
 が豪快でおもしろい。一人息子に対してなかなか子離れできない様子が、描かれていた。
 友人役のクリストファー・ウォーケンがミステリアスな雰囲気だった。

  ラリー・ラピンスキー(レニー・ベイカー)はユダヤ人の両親をもつ、ブルックリン生まれの22歳、
 俳優志望の青年。1953年、カレッジを卒業すると同時に勉強のためにグリニッチ・ビレッジに旅立とう
 と決めていたが、過保護の母親(シェリー・ウィンタース)は猛反対だった。子供のようにラリーの
 グリニッチ・ビレッジ行きに反対する母親を、息子のよき理解者である父親(マイク・ケリン)が
 優しくさとし、ラリーの望みはようやくかなえられることになったが・・・。

 グリニッチ・ビレッジには、俳優、作家、画家の卵がうようよ。ラリーはアパートを見つけ、そんな
 若者たちのグループの仲間入り。仲間には、いろいろな人間がいた。
 アニタ(ロイス・スミス)という自殺癖のある厭世家、詩や脚本を書いているロバート(クリストファ
 ー・ウォーケン)、ホモの黒人バーンスタイン(アントニオ・ファーガス)、気のいい娘コニー
 (ドリ・ブレナー)、セーラ(エレン・グリーン)、画家のバニーなど。これらの若者の悲喜こもごも
 が新鮮に描かれていた。
 
 ラリーがフォックス映画のタレント・エージェントの手を経て、映画のスクリーン・テストを受ける
 日がきた。結果は 1、2週間のうちにわかるはずだった。ラリーが待ちに待ったスクリーン・テスト
 合格通知が来た。彼はハリウッドへ立つことになった。
 母親は、ラリーと別れるのがつらそうだった。別れの朝彼女は、ラリーにいった。

 「祖母がポーランドから、あらゆる迫害を受けながら亡命してきたことを忘れないで、常に身の
 ほどを知り、思いあがるんじゃないよ。ハリウッドでクラーク・ゲーブルに会った
 らよろしく
」。当時、この映画の主人公らと同世代だったこともあり、青春映画としては、
 印象に残る1本となった。