映画「ロッキー・ホラー・ショー」は、ロック映画では、革命的な映画であった。
何しろ、映画と観客が一緒になって、歌って踊ると言うのだから・・・。
1973年、ロンドンで、ミュージカル「The Rocky Horror Show」が産声をあげた。
1975年に映画化。'75年9月に全米公開。試写の段階では大失敗に終わる。しかし、劇場公開では観客の大半はリピーターとなった。この現象に着目したのが、20世紀フォックス。
1976年のニューヨーク・ウェイバリー・シアターでのミッドナイト上映再公開に踏み切る。一時はお蔵入りと思われた映画を、パーティー気分を煽る作戦に出て大当たりした。
映画と観客一体のスタイルが確立した。今では当たり前のパフォーマンスやツッコミ、小道具も、劇場に通い詰めたファンから発生し、「ロッキー・ホラー・ショー」独自の参加形態が形作られていったのである。
日本での公開時(1976年)も、観客が立ち上がって、一緒に踊っていたのを思い出す。
ポップコーンだけは、画面に向かって、投げつけてもよかったと記憶している・・・。さながら、ファン参加型のロック・コンサートの雰囲気だった。映画化から約30年経った今でも、世界各地で上映(観客参加)が続いているといわれる。
内容は、B級ホラーやSF映画へのオマージュが大半。友人の結婚式に出席したブラッドとジャネットはその場でめでたく婚約。早速、恩師スコット博士に報告に行くが、道に迷ってしまう。しかも、車はパンク、外は嵐。お手上げ状態となる。そんな二人の前にそびえる不気味な城。天の助けか、一体何なのか・・・。
城の主はトランスセクシュアル星からやってきたフランク・フルター博士。愛と倒錯のマッド・サイエンティストだったのだ!
まさに、その夜、博士の愛の結晶、“人造人間ロッキー”が誕生する特別な夜だったというわけである・・・。
映画に新風を吹き込んだ、参加型ロック・ミュージカルのまさに誕生だった。
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