仲代達矢は、黒澤組の常連の一人。
「七人の侍」の時は、無名で、侍の通行人の役
(エキストラ)だったという。
しばらくして、「用心棒」「椿三十郎」では、
世界のミフネ(三船敏郎)の敵役として登場。
黒澤明作品では、欠かせない存在に。
三船のあとも、晩年の黒澤作品などで、圧倒的な存在感を示した。
「影武者」「乱」の鬼気迫る演技。
一番最初に、仲代を知ったのは、テレビのコマーシャル。
「塩野義製薬のポポンS」(笑)
ちょっと気難しそうな、いかにもまじめ調語り口で
「ビタミン・ミネラル配合保健剤 ”ポポンS”をお試しください」
印象に残るのは、日本の犯罪史に残る「吉展(よしのぶ)ちゃん」
誘拐事件の犯人が観て、犯行の手口の参考にしたという「天国と地獄」。
金持ちの社長の運転手の誘拐事件の捜査に乗り出した警部役で、
「金持ちは好かない」と思いつつ捜査をすすめるうちに、社長の
人間性に触れ、「鬼」と化して、犯人を追求する姿が印象深い。
「不毛地帯」では、シベリア抑留を経て、不屈さと指導力を買われ
商社マンとして辣腕をふるう実在モデルを好演した。
シェークスピア俳優など演劇の分野の大御所。俳優養成の
「無名塾」からは、役所広司などを輩出した。
存在感の大きさでは、日本一かもしれない。
仲代達矢作品個人ベスト3:
①不毛地帯
②天国と地獄
③上意討ち