映画「私にふさわしいホテル」(2024)を見た。昨年12月27日に劇場公開された話題作で、柚木麻子の同名小説を原作とした堤幸彦監督作品。
物語は、新人賞を受賞しながらも大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評により華々しいデビューを果たせなかった新人作家・加代子(のん)の逆襲を描く文壇下克上コメディ。
あまり期待しないで予備知識もゼロで見たら、のんのはじけた演技が爆笑ものだった。すごい。これが”あまちゃん”女優として大ブレイクしたのん(当時能年玲奈)か?
のんが堂々と感情豊かに多才な演技女優ぶりをいかんなく発揮している。痛快な逆転サクセス・ストーリーが面白い。98分というのもいい。
カメレオン俳優の滝藤賢一が振り回される可笑しさも出色。共演は田中圭、若村麻由美、田中みな実、橋本愛、光石研など。
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1980年代。新人賞を受賞したものの、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評により、華々しいデビューを飾ることなく、小説を発表する場も得られなかった不遇な新人作家・加代子(のん)。
この恨み、晴らさずにいられようか——。そう決意しながら憧れの「山の上ホテル」に宿泊する加代子の部屋の上階に泊まっていたのは…なんと東十条だった。
大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)によって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を見事落とさせる。だがここからが加代子の更なる不遇と試練が待っていた。
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この映画はのんと滝藤賢一の掛け合い、駆け引きの妙が面白く飽きさせない。夜の世界で「シャンパンコール」なるものがあるようだが、のん演じる佳代子は、東十条を前にシャンパンによる「文豪コール」を始める。文豪の連呼だ。「(坪内)逍遥・(二葉亭)四迷・(森)鴎外に(幸田)露伴!」と続く。
ついに、佳代子の目指す「私にふさわしいホテル」(新作のタイトル)の文字が万年筆で原稿用紙に書き込まれる…。
<主要人物>
■中島加代子(相田大樹→白鳥氷→有森樹李:のん
新人作家。相田大樹のペンネームで新人賞を受賞したが、東十条の酷評のせいで未だ単行本も出せていない。「もちのろんです」というのが口癖。
■遠藤道雄:田中圭
文鋭社「小説ばるす」の敏腕編集者。加代子の大学時代の先輩で最大の理解者だが、時に裏切ることもある。
■東十条宗典:滝藤賢一
大御所作家。加代子をさまざまな手段で追い詰める。
■東十条美和子:髙石あかり
東十条の娘。東十条が唯一頭の上がらない「じゃじゃ馬娘」。
■東十条千恵子:若村麻由美
東十条の妻。東十条を親身に支える。
■明美:田中みな実
東十条が常連の一流クラブ「ジレ」の美人ママ。
■遠藤緑:広山詞葉
遠藤の妻。文鋭社役員の娘。
■遠藤桜:永瀬ゆずな
遠藤の娘。親のサンタクロース実在作戦にも騙されるふりをしているという大人顔負けのませた女の子。
■遠藤楓:沢田優乃
遠藤の娘。
■ホテルの支配人:光石研
クリスマスに遠藤が家族で泊まるホテルの実直なホテルマンで支配人。
■有森光来:服部樹咲
18歳の天才高校生小説家。文壇の話題を独占する。
■須藤:橋本愛
超有名カリスマ書店員。ポップを書けばその本がすぐ売り切れると言われる。
■トレンディー俳優:橘ケンチ(EXILE)
「ジレ」の常連客。
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