驚きの訃報が飛び込んできた。俳優で歌手のいしだあゆみが11日、甲状腺機能低下症のため亡くなったことが17日分かった。76歳(3月26日の77歳の誕生日が目前だった)。所属事務所がHPで発表した。
いしだあゆみは幼少の頃、フィギュアスケート選手として活躍。1964年に芸名のいしだあゆみに替え、本格的に芸能活動を行う。1965年にかけて「七人の孫」に森繁久彌の孫役で出演するなど、劇団出身の演技力を活かして歌手と俳優を掛け持ちした。
歌手に専念するため、1968年6月に日本コロムビアへ移籍したことが転機となる。
同年12月に発表した「ブルー・ライト・ヨコハマ」は累計150万枚のミリオンセラーを記録し代表曲となり、翌年の紅白歌合戦に出演した。鼻にかかったハスキーボイスが印象的だった。
他にも「あなたならどうする」(1970)「砂漠のような東京で」(1971)なども大ヒットした。
俳優としては「日本沈没」で演技力が高く評価され、1977年には「青春の門 自立編」で報知映画賞助演女優賞を受賞。
1981年の「駅 STATION」では高倉健の妻を演じた。1982年には「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」と「野獣刑事」の両作品で第6回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。
「火宅の人」(1986)では報知映画賞とブルーリボン賞、第10回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞などを受賞。同年の「時計 Adieu l'Hiver」経験を活かしてフィギュアスケートのコーチを演じた。
このほか映画では「積木くずし」(1983)「学校II」(1996)「ホームレス中学生」(2008)「なくもんか」(2009)などがあり、近年では「室井慎次 敗れざる者」「室井慎次 生き続ける者」(2部作、2024)に出演し、これが遺作となった。
テレビドラマでは「祭ばやしが聞こえる」(1977)「阿修羅のごとく」(1979)「北の国から」(1981)「金曜日の妻たちへ」(1983)などに出演。実力派女優としての地位を確立し、歌手より女優としての活動が主力となっていった。
「青春家族」(1089)のヒロインを清水美砂とともに務め、放送時点41歳で当時としてはヒロイン史上最年長だった。
「てるてる家族」(2003)の登場人物である岩田夏子のモデルになっており、自らもクラブ歌手役として出演した。その後「やすらぎの刻〜道」(2019)に出演した。
舞台では「屋根の上のバイオリン弾き」(1967、1982)に出演した。
映画では、高倉健と共演の「駅STATION」の電車のデッキからの最敬礼のポーズが印象的だった(泣かせた)。
蛇足ながらfpdと誕生日が同じ。
ご冥福をお祈りいたします。
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