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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ハスラーズ」(原題:Hustlers, 2020)を見る。ストリッパーたちがウォールストリートから金をだまし取る。

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ハスラー」(原題:Hustlers,2020)を見る。実話にインスパイアされた映画と最初に出る。ストリップクラブで働く4人のダンサーたちが、ウォール街の金持ち男たちから数年に渡って大金を巻き上げた、2013年に摘発された事件を描く。

ポール・ニューマンの「ハスラー」は、ギャンブルで金儲けをする話だったが、「ハスラーズ」はストリップ・ダンサーたちによるウォールストリートの遊び人たちから金を巻き上げようとするストーリー。

主演は「クレイジー・リッチ!」(2018)の台湾系アメリカ人のコンスタンス・ウーで、2017年には「世界の最も影響を与えた100人」の一人に選出された。

共演は、ジェニファー・ロペスなど。ロペスは、ストリップ・ダンサーのリーダー格を演じているが、ポールダンサーの演技では50歳とは思えぬダイナマイト・バディを見せている。「オーシャンズ8」のストリップ版の印象。

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幼少の頃に母に捨てられ、祖母に育てられたデスティニー(コンスタンス・ウー)は、祖母を養うため、ストリップ・クラブで働き始める。そこでトップダンサーとして活躍するラモーナ(ジェニファー・ロペス)と出会い、協力し合うことで大金を稼ぐようになり、姉妹のように親しい関係になってゆく。

ダンサー仲間のダイヤモンド(カーディー・B)からもストリップでの振る舞いをレクチャーされ、デスティニーは祖母とともに安定した生活ができるようになる。 しかし2008年、リーマン・ショックによる影響で世界経済は冷え込み、ストリップクラブで働くダンサーたちにも不況の打撃が押し寄せる。

シングルマザーとしての生活費や、収監中の恋人の弁護士費用など、それぞれの差し迫った事情で“お金が必要”というストリッパーたちに、ラモーナは「真面目に働いても生活が苦しいのに、経済危機を引き起こした張本人であるウォール街の金融マンたちは、なぜ相変わらず豊かな暮らしをしているのか」と言い、ウォール街の裕福な男たちから金を騙し取る計画を企てる。

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ストリップダンサーたちの客から金をだまし取る手口が悪どい。クレジットカードにサインできる程度に飲ませるというのが基本。”カモ”になりそうな男を見分けるのが第一歩だが、どんな靴、鞄、時計かをチェック、指輪をしていることが必須という。

 客に飲ませる酒に睡眠薬や薬物などを混入させて、倒れている間にクレジットカードを取り出して、スキャンしてしまうのだ。さらに、残高などカード情報を得て全額ATMで引きだしてしまう。ダンサーたちに注がれた酒は、飲んだふりをして、客が見ていないすきに捨てている(怖っ!)。

ラモーナなどは、一晩で一人の客から5,000ドル(60万円)も稼いだとうそぶく。結局、ウォールストリートの客たちは、世間体から被害届も出さないケースが多いようだ。デスティニーのように小さな子供を持つシングルマザーは、生きるために「司法取引」に応じてしまう。

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ポールダンサーとして先輩であるラモーナ(写真上)が新人のデスティニーに、ポールを使ったダンスを教えるが、一言でポールダンスといっても「妖精すべり」「はさみ滑り」のほか「ピーターパン」「消防士降り」「メリー・ゴーランド」「マティーニ」「テーブル」など種類が多いのだ。

ダンサーたちは、景気が悪くなると「金づるリスト」から一人一人に電話をかけまくる涙ぐましさ?(笑)。

警察に検挙されたラモーナは、5年間の観察付きとなる。リーマンショックの頃を振り返ってラモーナは「アメリカ全体がストリップクラブの国だった。カネをばらまく側と、踊る側の人間しかいなかった」と回想する。

日本のバブル期も、ストリップではないが、センス(ウチワ)をもって「ベルファーレ」など六本木界隈で踊るボディコンギャルが多くいたな(笑)。