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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ラ・ラ・ランド」2回目。今回、吹き替え版。

 
映画は字幕版に限るが持論だが、よりよく内容を理解するには、吹き替え版もいい。ラ・ラ・ランド」(2017)は劇場公開をまっさきに見たが、字幕版ではわからないことが吹き替え版でわかるということがある。
 
たとえば、字幕では字数制限で、簡略化されていたり、伝えきれていない言葉などが結構ある。セバスチャン(セブ:ライアン・コズリング)とミア(エマ・ストーン)が歩いていた時に、建物の二階の窓を指して、セブが「あの窓は(映画)”カサブランカ”で、ハンフリー・ボガートイングリッド・バーグマンが顔を出した窓だ」というセリフがあった。そのようなハリウッド黄金時代の映画へのオマージュが多かった。
 
その時に、ミアは、バーグマンの映画は”汚名”などいくつかの主演作品の名前を挙げていたが字幕では、ほとんど省かれていたようだ。
 
 
また、LIGHTHOUSE Cafeでは、セブが、ジャズについて熱く語るシーンがあった。
ジャズはニューオーリンズの安宿が発祥の地だった。そこは異国の人たちが多く集まるところで、言葉が通じなかったが、唯一通じ合う役割を果たしたのがジャズの音楽の始まりだ」というのだ。(ニューオリンズの街を1990年頃訪れたことがあるが、フレンチ・クオーターという一角が、ジャズの始まった地区と聞いていたが、寂れた雰囲気だった。)
 
セブとミアは、リアルトという映画館で「理由なき反抗」を見に行こうと約束をするが、その映画の中身に関して「(銃の)弾は抜いてない」といった会話も、字幕では詳しくなかったようだ。
 
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ほかのアメリカ映画についても言えることで、アメリカに住んでいる一般のアメリカ人なら誰でも知っている固有名詞などを、そのまま字幕にしてもわからないので、別の言葉で言い換えることがある。
 
最近の例では「ベイビー・ドライバー」という映画で、裏社会のボス(ケヴィン・スペイシー)が、ドライバー・テクニックが優れた若者に「漫画みたいだな」という字幕があったが、実際には「”モンスターズ・インク”(ディズニー/ピクサーのアニメ映画、2001)のようだ」と言っていた。
 
映画のセリフをほぼ一字一句、吹き替えで再現しているので、より理解はしやすい。
ただ、ミュージカル映画の場合、歌だけはオリジナルの英語で、セリフだけ日本語吹き替えというので、声のトーンなどが変わるので、多少違和感はあるが。
 
字幕版と吹き替え版の両方を見るのもいいかもしれない。
 
 
セブとミアは、それぞれ別の道を歩いてから5年。ミアはハリウッド女優として成功。
一方のセブは、自分の店「SEB'S」を持っている。上の写真は、「エレノア」という映画で主演を演じるミアの大きなポスターだが、一瞥することなく歩いて自分の店に向かうところが印象的だ。このあとすぐに店で再会することになるとは夢にも思わず。

 

ところで、監督のデイミアン・チャゼルは、1作目が「セッション」(原題:Whiplash、2014)、2作目が「ラ・ラ・ランド」(2016)で、次回作はライアン・ゴズリングデイミアン・チャゼル監督が再びタッグを組んだ映画「ファースト・マン」(原題:First Man)となるようだ。これは、1969年にアポロ11号で人類初の月面着陸に成功したニール・アームストロング船長に迫る伝記映画だ。米国では10月公開という。楽しみ。
 
チャゼル監督は来年(2018年)には「ザ・エディ」(原題)というミュージカル映画も公開される見通し。パリを舞台にしたミュージカル映画で、クラブのオーナーとバンドの話。これは期待したい。
 
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ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンとライアン・コズリングの共演は、「ラブ・アゲイン」(2011)「L.A.ギャングストーリー」(2013)に続いて3度目の共演で、何度も共演していたために掛け合いなど”化学反応”が生まれて「ラ・ラ・ランド」は大成功したということのようだ。前2作品も見なくては。