アカデミー賞で5部門にノミネートされた「フォックスキャチャー」(原題:Foxcatcher、2014、2015年2月公開)を見た。実話を映画化したものだが、予備知識なしで見たので、結末の”衝撃”にあっと驚いた。監督は「マネーボール」などのベネット・ミラー。
とくに、これまでコメディ映画で実力を発揮してきたスティーヴ・カレル(「ブルース・オールマイティ」「奥様は魔女」)のシリアスな演技が圧巻。おそらく実在の人物に似せるためにかぎ鼻?メイクにしたのか、財力にモノを言わせた物腰、態度が圧倒する。
チャニング・テイタムは、兄弟の弟という、常に兄の陰に隠れて目立たない屈折した人物像を見事に体現している。最新作「ヘイル、シーザー」にも出演していた。
マーク・ラファロは、最新作「スポットライト」の記者とは打って変わって、髭を蓄え、家族想いの人物を演じているが、悲劇に見舞われる。
タイトルの「フォックスキャッチャー」とは、レスリングチームの名称。
そのもともとの意味は、”フォックス”(キツネ)の”狩人”のことだが、アメリカの屈指の財閥であるデュポン家の御曹司であるジョンは、レスリング好きで、レスリングチームで自らコーチを行っていたが、母親は、レスリングなど下品なスポーツとして対立。母親は、競走馬、馬術こそ優雅なスポーツと考えていた。ジョンは「馬など、キツネ(フォックス)もキャッチ(捕まえる)できないだろう」と、レスリングチームをフォックスキャッチャーにしたようだ。
それは置いておくとしても、この映画は、ほとんど音楽も背景にかからず、静かに物語は進行していく。そして、最後に衝撃の結末を迎える。
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1984年のロサンゼルスオリンピックのレスリングで金メダルを獲得したマーク・シュルツ(チャニング・テイタム)はデュポン財閥の御曹司であるジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)から自ら率いるレスリングチーム結成プロジェクトである「フォックスキャッチャー」に来ないかという誘いを受ける。
ソウル五輪に向けて精鋭チームを率いるマーク。デ
ュポンは、自分が指導者としてオリンピックのコーチ席に入ることに固執した。マークの兄で、優秀なコーチでもある金メダリストのデイヴ(マーク・ラファロ)を呼び寄せるデュポン。兄が来たために立場を失ったマークは、精神的に不安定になっていった。
全米レスリング協会に多額の寄付をし、フォックスキャッチャーを五輪代表チームの公式練習場として認めさせるデュポン。優秀な選手をフォックスキャッチャーに呼び集めるデイヴ。しかし、デイヴは内心では、デュポンが自分の上に立つコーチだとは認めていなかった。
ソウル五輪でマークは敗退し、フォックスキャッチャーを去った。
デュポンはコーチとして全くデイブに及ばなかった。デイブはその後もデュポンのもとでコーチを続けたが、ある冬の日、妻の目の前でデュポンに射殺された。逮捕されたデュポンは、2010年に獄中で病死した(MovieWalker)。
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この映画は、タイトルだけは知っていたものの、ブログ友のmoreさん(モアひゃん)が、「淒い!!!」と絶賛していたので見ることにしたが、静かな映画で派手さはないものの、じわじわとくる映画。
映画は、やはり”人間ドラマ”が面白い!
予告編
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(参考:moreさんの記事:http://blogs.yahoo.co.jp/morebouns/48735741.html)
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