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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「オデッセイ」(2016)</span>



オデッセイ」(原題:The Martian=「火星の人」、2016)を見た。
マット・デイモンが火星に取り残された宇宙飛行士を演じる、リドリー・スコット監督によるサバイバル・ドラマ。

残り少ない酸素や食料をよそに、科学の力を武器に生き残ろうとする主人公ワトニー(マット・デイモン)と、彼を火星に置き去りにしてしまった事を悔やみ、救出しようとする人々の葛藤や友情を描く。原作はアンディ・ウィアーのベストセラー小説。



この映画、見る前と見てからの印象がまるで違っていた。
ゴールデン・グローブ(GG)賞で、ミュージカル&コメディ部門の作品賞と主演男優賞を受賞という意味がわかった。宇宙(火星)に取り残された主人公が、生存のための食料がない中、「俺は植物学者だ。マーズ(火星)よ!植物学者を恐れるがいい」と極めてポジティブだ。アカデミー賞では作品賞ほか7部門でノミネートされた。

映画では、実際に、じゃがいもを栽培してしまう。次の衛星がやってくるのは4年後として、計算して植物(食物)を育て、準備をしようとするのだ。



宇宙飛行士のクルー仲間だった船長が残していったディスコの音楽をガンガンかけて、仲間と交信ができたた時には「ルイス船長のディスコ曲は全部無事だ」といったジョークも放つのだ。映画の中でかかるディスコ調の曲は「Love Train」「Waterloo」「Starman」など印象深いが、中でもエンディングにかかる曲「I Will Survive」は、明るくていい。

 ”I will survive”の曲

・・・


人類3度目の有人火星探査ミッション“アレス3”は、18日目に突然吹き荒れた猛烈な嵐によって、任務中止に追い込まれる。ところが、全6名のクルーのうち、マーク・ワトニー(マット・デイモン)は、突風でバラバラになった通信アンテナの直撃を受けてどこかへ吹き飛ばされ、行方不明になってしまう。


イムリミットが迫る中、必死の捜索を続ける指揮官のメリッサ・ルイス船長(ジェシカ・チャステイン写真)だったが、ワトニーは発見できず、やむなく離陸を決断。

ルイス船長以下5人は宇宙船ヘルメス号で地球への帰途につく。ワトニーは死亡したと判断され、NASAのサンダース長官(ジェフ・ダニエルズ)が記者会見を実施した。

しかし、ワトニーは生きていた。
辛うじて砂漠から人口住居施設“ハブ”に帰還した彼は、この上なく絶望的な現実を思い知らされる。ハブに残された食料はほんのわずか。ところが、次の探査ミッション“アレス4”のクルーが火星にやってくるのは4年後だ。

それまで生き抜くためには、酸素や水を作り出すところから始めなければならない。植物学者でメカニカル・エンジニアのワトニーは、ありったけの科学知識と持ち前のポジティブ思考によって、これらの途方もないハードルを1つずつ乗り越えてゆく。

しばらくして、NASAもワトニーの生存に気付く。
火星の衛星画像を調べていた職員が、ワトニー生存の証拠を発見したのだ。

ただちに食料を送るための補給機の準備を開始。
再び記者会見を開いたサンダース長官がワトニーの生存を発表したことで、火星で孤独なサバイバルを続けるワトニーは一躍、全世界の“時の人”となった。

ところが、時間との厳しい戦いを強いられた救出プランはトラブルに見舞われ、ワトニーは再び絶体絶命の危機に陥ってしまう。やがてワトニーの命運は、宇宙を航行中のヘルメス号のクルーを巻き込み、誰も想定していなかった最終手段に託されることとなる・・・(MovieWalker)。







宇宙に取り残されたマーク・ワトニーは、宇宙時間の経過を記していく。
突然孤独からか「クソ、クソ、クソ、クソ」と叫ぶが、興奮して気がおかしくなるくらいの姿が自然であると思うがカメラに向かって話をし、記録として、日記のように残しておくのだった。

NASAでは、6人中、5人は生存していることを確認し、残った一人を救出するかどうかの選択に迫られる。Aは、高い確率で一人が死ぬ。Bは、低い確率だが、6人が死んでしまうか、というもの。NASA長官の決定はAだった。ほかの5人を危険にさらすよりも、1人は犠牲になって、5人には無事生還してもらうというものだった。

ところが宇宙に残った5人の選択は、NASAの決定に逆らって、マークを救出するというもの。帰還したら解職ものだが、5人は「イエス」「ノー」の採決で、満場一致で「イエス」となった。

このあたりは、船長も責任を感じていたこともあるが、仲間をみすみす死なせるわけには行かないというものだった。このことで、地球に戻るのが1年半も先になり、合計900日も宇宙をさまようことになるとしても、だ。このあたりのシーンはよかった。

無事帰還したマークが、ルイス船長が残した音楽に対して本人に「音楽の趣味、最低だね」というのも面白かった。すべてを”センス・オブ・ヒューモア”で語るところなどはいかにもアメリカ人的だ。

・・・
「ゼロ・グラヴィティ」や「インターステラー」といった作品を意識しているとも言われる作品だが、緊張感というよりもユーモアが前編に溢れていて、悲壮感はそれほどなく、後味のいい作りとなっている。

無事帰還したマークが、これから宇宙に旅立とうとする宇宙飛行士たちに経験や注意、アドバイスをする。そして、5年後、再び火星に向かって衛星が打ち上げられたところで映画は終わる。

宇宙開発で、中国も全面的に協力するようなシーンもあるが、現実的にあるのかどうかは疑問。かつては、米国とソ連の開発競争というのが世の中を騒がせたが、将来は中国との競争を視野に入れているのか。

「オデッセイ」(原題:The Martian, 2015)
原作: アンディ・ウィアー(「火星の人」)
日本公開:2016年2月6日
出演:
ジェシカ・チャティン
クリスチャン・スタン
ドナルド・クローヴァー
マッケンジーデイビス
時間:141分

☆☆☆

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