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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「三十四丁目の奇蹟」(1947)</span>



三十四丁目の奇蹟」(原題:Miracle on 34th Street,1947)を見た。
DVDではタイトルが「~の奇跡」となっている。同名タイトルでは、オリジナルで、これまでに何度かリメイクされ映画化されている。

アカデミー賞では助演男優賞、脚色賞、原案賞を受賞しているほか、作品賞にノミネートされた。ナタリー・ウッドが8歳の子役をしっかりと演じている。サンタ・クロースを演じ、アカデミー賞助演男優賞を獲得したエドマンド・グウェンが素晴らしい。


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舞台はニューヨーク。マンハッタン34丁目のスクェアに実在するメイシーズの旗艦(フラグシップ)店。クリスマス商戦の開始を告げる仮装パレードの準備中に酔いつぶれたサンタ役を叱りつけた老人(エドマンド・グウェン)は人事係のドリス(モーリン・オハラ)の判断で代役をつとめる。

パレードは成功、ユーモアと思いやりを備えて芸達者な彼はおもちゃ売り場で子どもたちの人気者になりデパートもクリス人気に便乗する。

しかし、ドリスとの面接の際にサンタクロースの別名クリス・クリングルを名乗り自分を本当にサンタだとする彼は妄想癖があるとみなされてしまう。

そこでメイシーズ専属の医師のソーヤー(ポーター・ホール)に彼の診察をさせた結果異常はなかったが、ソーヤーは妻と不仲でそのことを診察中に彼に指摘され苛立ち、彼に異常があると偽りの報告をし今すぐに精神病棟に入れたほうがいいと進言した。

だが、クリスが入所している老人ホームの医師のピアースは彼には異常がないとして精神病棟に入れる必要はないという。その直後にメイシーズで働いている若い従業員のアルフレッドが子供たちに親切すぎることを理由に、ソーヤーがアルフレッドに精神障害であると発言したことをクリスは知り憤った彼はソーヤーを非難し杖でソーヤーの頭を叩いてしまう。

そして、ソーヤーの企みで彼は精神病棟に閉じ込められる。過去の痛みからサンタクロースを信じられないドリスと、彼女の心を知る健気な娘スーザン(ナタリー・ウッド)は老人が二人にとってかけがえのない存在だったことを知る。クリスにとってもスーザンがサンタ・クロースを信じてくれることが何よりの望みだった。


           母ドリス(モーリン・オハラ)と娘スーザン(ナタリー・ウッド

ドリスの隣人、弁護士のフレッド(ジョン・ペイン)はクリスの弁護を買って出て裁判が開かれる。事件はクリスが精神的に正常かどうかで争われる。

正直な老人を助けたいニューヨークの人達は街角の店先やアパートのベランダで「私はサンタクロースを信じます」というオピニオンボードを掲げ始めるが、裁判は不利なまま進行する。

法を曲げられない判事のハーパー(ジーン・ロックハート)は「奇蹟が起こらない限り」老人を助けられないだろうと密かにフレッドに伝える。そして結審の日を迎えたニューヨークでは・・・(Wiki)。

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ユーモアとセリフの面白さで引き込まれた。

日本で言えば三越高島屋に匹敵する、ニューヨークの老舗デパートを舞台に、クリスマス商戦やサンタ・クロースの存在を信じることなどをハート・ウォーミングのタッチで描いている。

商売、利益優先で、売れ残りを子供たちに売るというのに疑問を持つサンタクロースこと別名クリス・クリングルは、客が欲しいモノがない場合は、競合店を紹介するという思い切った行動をとった。これが功を奏し、メイシーズ百貨店のメイシー社長がこの戦略を取り入れることにした。

メイシー社長は、幹部を集めていう。
「この計画は普通ではありえない。(我が社)メイシーズが、客を(競争会社の)ギンベルズに送り込むなど。しかし、電報や手紙が殺到。知事夫人、市長夫人などからのお礼の電話など500人以上の親から感謝された。この戦略を広く適用すれば、成功は付いてくる。サンタ・クロースだけでなく、すべての売り子に同じ事をさせるんだ。客の望む商品がない場合は、他店に客を送るんだ。親切で人情味のある店として知られるようになる」と檄を飛ばす。


         メイシー社長の思い切った提案に驚きを隠せないドリス(右)など。

             結果的に客は信頼を寄せるというのだった。

これを知ったライバルのギンベルズの社長も「メイシーズは善意の店としてニューヨーク中で評判だ。大衆の利益だけを考えろ。ギンベルズは金の亡者だ。我々もメイシーズに客を送るんだ。本店だけでなく、全国(フィラデルフィアピッツバーグなど)で展開するんだ」だった。


         メイシーズに対抗するため同じ戦略を指示するギンベルズの社長。
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メイシーズとギンベルズのそれぞれ社長の仲介の役をになったサンタ・クロースに対して、メイシーズが感謝の謝礼(小切手)を渡すと、ギンベルズの社長は「そんな大金を何に使う?」と聞くと、「医者の友人がレントゲン装置が必要だが買えないでいるので・・・」という。メイシー社長は「それなら足りないから私が・・・」というと、それを遮ってギンベルズの社長が「私が出そう」というのである。

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母親のドリスから「サンタなどいない」と教え込まれ、子守唄も聞かされたことがない娘スーザンが、サンタ・クロースに願ったことがあったが、実現するはずがないと思っていたことが現実となって「奇蹟」が起こることになる・・・という結末だった。

しゃれたエンディングだった。

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