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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「あの日、欲望の大地で」(2009)</span>


 
あの日、欲望の大地で」(原題:The Burning Plain)は「21グラム」「バベル」の脚本家ギジェルモ・アリアガが、2人のオスカー女優、シャーリーズ・セロンキム・ベイシンガーを主演に迎えて撮り上げた記念すべき監督デビュー作。
 
時代と場所を越えて3世代にわたる女性たちが織りなす愛と葛藤と再生の物語を、時制を錯綜させた語り口で描き出していくのだが、最初はやや面喰ってしまう。
 
共演は、本作の演技でヴェネチア国際映画祭新人賞に輝いた期待の若手女優、ジェニファー・ローレンス

 

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アメリカ北東部、メイン州の海辺の街ポートランド
高級レストランの女マネージャー、シルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、心に傷を抱え、自らを罰するように行きずりの情事を繰り返す。ある日、そんな彼女は怪しげなメキシコ人男性が連れてきた12歳の少女マリアの姿に激しく動揺する・・・。
 
アメリカ南部ニューメキシコ州の国境沿いの町。
アメリカ人主婦ジーナ(キム・ベイシンガー)とメキシコ人ニックの不倫カップルは、密会場所であるトレーラーハウスの突然の炎上で2人揃って帰らぬ人に。
 
残されたジーナの夫はニックの家族に激しい憎悪を抱く。
ところが、この事件で深く傷ついた娘のマリアーナ(ジェニファー・ローレンス)は、いつしか不倫相手の息子サンティアゴと許されぬ恋に落ちてしまい・・・(allcinemaより)。
 
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時制(時代)が異なる別々のストーリーが同時に進行し、どういう繋がりかわからず最初は戸惑うのも事実。どこかで、点と点が結びつくのだろうとみていると、終盤の最後のころになって、ようやくパズルのピースが一致して理解するのだが、ミステリー仕立てにしては、いまいちその必然性が分からない。
 

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ジーナは、長女マリアーナ(ジェニファー・ローレンス)を含めて4人の子供がいて、ダンナもマジメそうだが、その家族を裏切って、何でそんな男と思うような風采の上がらない男との密会にのめり込むのか理解できない。
 
多感な高校生のマリアーナは、母ジーナの折々の不審な行動が気になり、学校に行くふりをして、ジーナの車を追って自転車で後をつけると、野原に放置されたトレーラーで男と逢って情事を重ねているのを目撃してしまう。
 
母親を驚かすつもりで、トレーラーに火をつければ、あわてて中から出てくることを期待したのだが、燃え盛る炎に包まれトレーラーが爆発してしまう。マリアーナは、呆然とするが、こともあろうに、逢引相手の男の息子と駆け落ちをしてしまう。
 
ストーリーの同時進行のアイデアは面白いが、ミステリーかどうかは中途半端な気がした。
 
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以下、ネタバレ(反転):
 
過去に傷を持つシルビアこそ、マリアーナであることがわかる。
 
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ジェニファー・ローレンスは、この映画で「マルチェロ・マストロヤンニ賞」(新人賞)を受賞した。ジェニファーの活躍は、撮影当時18歳だったが、この映画をきっかけに注目されるようになり、翌年の「ウィンターズ・ボーン」、さらに「ハンガー・ゲーム」を経て、「世界にひとつだけのプレイブック」(2012)では、女優としては最高の勲章ともいえるアカデミー賞主演女優賞を獲得している。

そして、今年は「アメリカン・ハッスル」で、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされており、2年連続の受賞が期待されている。「アメリカン・ハッスル」を見た限りでは、ジェニファーに対抗馬なしの印象を受ける。
 
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キム・ベイシンガーは、この映画当時50代も後半に差し掛かっているが、不倫に走る人妻を好演している。「007」のボンドガールの後、「ナイン・ハーフ」で注目され、「バットマン」などを経て「L.A.コンフィデンシャル」では、妖艶な高級娼婦を演じてアカデミー賞助演女優賞を受賞している。「セルラー」や「ザ・センチネル/陰謀の星条旗」などが印象に残る。
 
シャーリーズ・セロンは、この映画では、過去に犯した罪の呵責に苛まれる役を演じている。「コール」では、子供を誘拐される主婦を演じ、「ハンコック」「トリコロールに燃えて」などで魅力を発揮しているが、「モンスター」では増量に取り組み殺人犯を演じて、アカデミー賞主演女優賞に輝いている。
 
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ジェニファー・ローレンスの作品に進路を取り、見た1本。
邦題(タイトル)が覚えにくい。


 
 
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