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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「エニイ・ギブン・サンデー」(2000)</span>


 
 
エニイ・ギブン・サンデー」は、鬼才オリバー・ストーン監督が、アメリカン・フットボール(アメフト)界の裏舞台を描いた意欲作。1999年製作で日本公開は20005月。アメフトに興味がないfpdでも、激しいタックルの動きのカメラワークや、懐かしい俳優・女優(チャールトン・ヘストンアン・マーグレットなど)の出演に唸る。タイトルだけは知っていたが、長年、未見の映画だった。
 

ハリウッドを代表する女優の一人、キャメロン・ディアスがあの天下のヘストンを相手に”ツー・ショット”で会話をするのだからぜいたくな映画だ。
 
コミッショナー役のヘストンの会話は少ないが、儲け主義女性オーナー(キャメロン・ディアス)との会談の後に「あの娘(こ)は、若さを食いつぶしているよ」と苦笑いをして、付き人に語るところなどは思わずニンマリさせられる。
 
映画の中で「ベン・ハー」のクリップ映像が流れるのは、ストーン監督のヘストンに対する尊敬の念を示したものか。キャメロン・ディアスは当時27歳、ヘストンはこの映画の撮影時は75歳で、8年後に83年の生涯を閉じた。
 
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原題の”Any Given Sunday”というのは、最初どういう意味か分からなかったが、アメリカン・フットボールが野球以上に好きなアメリカ人なら誰でも知っている言葉・格言で、「誰にでもチャンスが(神から)与えられた日曜日」ということ。アメフトが日曜日に開催され、どんなに弱いチームでも勝つチャンスはあるということだ。映画の中では、セリフの一つとして使われていた。
 
コーチ(アル・パチーノ)とオーナー(キャメロン・ディアス)の意見の対立シーンの激しい口論バトルは、セリフの行間からは出てこないリアルさが迫ってきた。
 

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2001年のマイアミ。かつては名選手として、今はヘッドコーチとしてトニー(アル・パチーノ)が率いるプロアメリカン・フットボールチームのマイアミ・シャークスは、今シーズンは連敗続きで、不振に陥っていた。さらにキャプテンで中心選手のベテランQBのジャックも怪我をしてしまい、代わりの選手にもこと欠くような有様。
 
試合を離れたところでも、前オーナーの娘である現オーナーのクリスティーナ(キャメロン・ディアス)は自分のビジネスプランにこだわり、トニーとは意見がぶつかってばかりだった。
 
そんな中でジャックの代わりを務めることになったのは、補欠のまた補欠の無名選手ビーメンだった。彼は期待以上の活躍を見せ、チームも大躍進する。スター選手として躍り出たビーメンをクリスティーナは煽てあげ、自分のプランのために他のベテラン選手を使い捨てようとしていた。
 
ビーメンは、人気に付け上がって身勝手なプレーに走るようになり、チーム内に亀裂を入れてしまう。トニーはビーメンに忠告するも聞き入れようとしない。クリスティーナも自分の野望にむかって暗躍しており、チームはギクシャクしたまま、プレーオフ進出を決める大一番の日曜日をむかえようとしていた。
 
後がないトニーは思い切ったチーム構成で試合に臨むことを決心する。そして試合の直前、トニーは選手たちの前で己の思いのたけの全てを込めた檄を飛ばすのだった・・・。

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この映画のアル・パチーノの執念の演技と選手たちにしみこませるようなセリフの数々が最大の見どころだ。
 
アル・パチーノの独演会の様相で、「運命の日曜日、勝つこともある。負けることもある。いずれにしても男らしくいろ」「1インチ1インチ(字幕では一歩一歩)早すぎてもいけない。遅すぎてもいけない。その1インチ(一歩)のために戦うんだ!隣を見ろ。1インチのために闘う男たちがいるはずだ。チームだ。お前たちにかかっている」
 

 
スローモーション映像も素晴らしく、残りわずか数秒だが、時間の秒針が1秒変わるのがスローで映し出されるがその間の選手の動きのスピーディなこと。選手たちからは「(最後の)4秒は長いぞ。死ぬほど時間はある」というセリフも印象的だ。引退した選手が、現役時代を振り返っての一番の印象は「11人がいつも同じ方向を見ていたことを思い出す」という言葉も。
 
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女性オーナー、クリスティーナ(キャメロン・ディアス)が、イレブンの選手たちのシャワー室に現れるが、日本だったら「ぼかし」があるのだろうが、黒人たちの素っ裸の映像で、えぇ~というシーンもある。日本映画の「テルマエ・ロマエ」の風呂場のシーンのようにアングルで隠したりしない。ストーン監督のありのまま真実を・・・という面目躍如かと変に思ってしまう。オーナーのクリスチーナに誘いの声をかけてくる輩もいたが、”ビジネスしか関心がない”と色恋沙汰はシャットアウトというもうけ主義が徹底していた。クリスチーナの文章にできない”きわどい”セリフもある。
 
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2時間以上でやや長い印象はあるが、見ごたえのある”骨太”映画だった。
 
☆☆☆
 
 
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