奇想天外のありえないストーリーだったからだ。
総理大臣と息子の中身が入れ代わる話だった。
中身がフリーターの若者で、外見は総理大臣。
その総理大臣が、国会で野党の質問に答えるというのだ。準備された答弁の原稿の漢字が読めない!
誤読の繰り返し。
一方、外見はフリーターの息子の顔をした総理大臣が、息子が就活でアポを取った会社の複数の会社に面接に行くのだ。
なぜ入れ替わったのか。
そこには、ハイテク技術による脳波のすり替えをたくらむ陰謀が隠されていた。
するとどうなるか。
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この本が書かれたのは、昨年末に政権が入れ替わる直前の話だったのだが、秋葉原の漫画オタク総理大臣が主役で、答弁の時に漢字が読めないことで話題になったあの総理大臣が、読み方を間違えたのは、中身が息子だったからだという発想がすごい! 変に納得してしまう(笑)。
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一方の息子のほうはと言えば、大学生(4年)で就活中。
結構、女性に人気があってモテている。中身が入れ替わっているオヤジは、近づいてくる女性が魅力的であったりして、(息子もうまいことやっているな・・・と)このまま変わりたくなくなってしまうほど(笑)。
面接官も顔負けのことを応募者が言うので、「なんと生意気な学生」と相手は頭に血が上る。ところが、応募者が、総理の息子と知ると、急に態度が変わったりする(笑)。
そんな絵空事の空想めいたストーリーだが、そこはいろいろな社会問題、政治問題などにも切り込んでいて、フィクションとは言いながら、この数年の政治、政治家の動きなどをとらえていて面白い。
少々カジュアルな印象だが、現在の政治に対する風刺などが効いているので、親子の断絶めいたものが、自分がその立場に立って理解できるようになり、理解していくという父子の姿は良かった。
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